>  >  > フグ毒「テトロドトキシン」で死ぬ時どうなる?

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【ヘルドクター・クラレのググっても出ない毒薬の手帳 第9回 フグ毒テトロドトキシン/前編】

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イメージ画像:「Thinkstock」より

「河豚は食いたし命は惜しし」

 美味しい話には毒がありそうで、勇み足で踏み入れないことの諺(ことわざ)。

 古来より日本人は、フグは美味しいが、その内蔵に毒があることを知っていました。

 縄文時代の貝塚からもフグの骨が出ていることから、さらに前の時代から、毒の含まれる内蔵を傷つけずにその身を調理するという方法をとってきたのです。石川県では、フグの卵巣を長期間糠漬けにすることで猛毒を抜くという調理法が編みだされ、郷土料理として親しまれています。

 それでも、毎年千人程度の中毒者が報告されており、数人が亡くなっています。あくまで役所への報告例なので、無報告で毒にあたっている人はさらに数倍はいると思われます。


●恐怖のTTX中毒、ゾンビを作る薬にもなった!?

 ふぐ毒、テトロドトキシン。あまりにも有名な海洋毒素であり、TTXという略称でも知られています。

 その毒性は青酸カリの千倍以上とされ、LD50(マウス)では8μg/kgという驚異的な数値を示し、自然界に存在する強毒としてトップ10に入ります。(LD=Lethal Dose、致死量のこと。LD50とは投与した動物の50%が死亡する用量を示す)

 TTX中毒は20分から2時間以内に起こります。まずは軽い頭痛、腹痛などから指先などの末梢にシビレを感じはじめます。さらには嘔吐や平衡感覚の消失による、目眩と運動障害、そして血圧も低下していきます。やがて意識混濁し、指先さえ動かせなくなり、ゆっくりと死に至る――。

 致死時間は、被毒量に応じて1~8時間。逆に言えば、8時間程度持ちこたえれば、体内で分解して生き返るということも。

 昭和初期では、医者の死亡診断も脈拍と瞳孔の確認で行われたため、極端に衰弱した中毒者を「死亡」と誤診して、火葬場の手前であわや生き返るといった珍事も発生したようです。

 こうした“死んだ状態”からの“復活”をもたらす特性を生かして、ナイジェリアなどの少数部族の間では“ゾンビを作る薬”、すなわち「ゾンビパウダー」として内科的ロボトミー薬(暗示と脳の酸欠による機能喪失をもたらす)が生み出されたという話もあります。

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