ホーキング博士が狂ったようにまくし立てる! 「今すぐ大聖堂を建設せよ」「トランプ支持者は低レベル」
■「トランプは最も低レベルの扇動政治家」
昨今進化が目覚しいAI(人工知能)に対しても、いち早く警戒を呼びかけてきたホーキング博士だが、最近のインタビューでは、やはり人間の強欲さがAIにも匹敵する現代の最大の脅威のひとつであると主張している。
「私たちは強欲さを失っていませんし、愚かさも改善されていません。それらに加えて、私は6年前から環境汚染と人口問題も懸念しています。そしてこれらの問題は、今なお悪化しているのです」(スティーヴン・ホーキング博士)
また、現在の米大統領選についても自説を表明している。共和党の大統領候補に指名されたトランプ氏の人気が理解できないということだ。テレビのモーニングショー番組で意見を求められたホーキング博士だが、「(トランプ氏は)国民の最も低レベルの多数派を代表している扇動政治家のように見えます」と答え、現在のトランプ旋風に苦言を呈している。混迷を深める世界情勢の諸現象に、これほど積極的に発言するホーキング博士というのも前代未聞だろう。
「国民にEU離脱を選ばせた妬みと孤立主義はイギリスだけの出来事ではなく世界に蔓延しているものです。“富”の狭い定義と公平な再分配の失敗は、国境の壁を高いものにするでしょう。これが行き過ぎた場合、長期的な観点から私は人類の行く末について楽観的になることができません」(スティーヴン・ホーキング博士)
今後の人類の行方に楽観的にはなれないというホーキング博士だが、まだ我々には成功を収める余地は残されているということだ。
「人間はいつでも臨機の才に溢れた存在であり、柔軟に環境に適応してきました。我々は“富”の定義に知識、自然資源、人間の能力などを加えて、より幅広いものにしなければなりません。そして同時に“富”をより公平にシェアすることを学ばなければなりません。これができれば、社会が一体になることに何の制限もなくなります」(スティーヴン・ホーキング博士)
豊かな生活は、現代の市場社会においてはある程度のお金がなければ実現しないようにも思える。しかし実際はお金だけではないことを、ホーキング博士はこのタイミングで改めて強く訴えたということだろう。時折博士は、まくし立てるように激しい表現も用いているが、これは良い意味でトカナが常々予想してきた「ホーキング博士の発狂」が現実のものになったと言えるかもしれない。同時代に生きる天才物理学者の発言に今後も耳を傾けたい。
(文=仲田しんじ)
参考:「Daily Mail」、「Guardian」、ほか
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