>  >  > 日焼けの一部は、銀河系外から届いた光が原因

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銀河系外背景光

 小麦色の肌は、それだけで魅力的な夏のアクセサリーになる。だが、そこには思いもよらない“長旅”が隠されているのをご存じだろうか?


■銀河系外からの光が地球に届いている

extragalacticlight1.JPG
Popular Science」の記事より

 天文学と天体物理学の学術雑誌「Astrophysical journal」(8月12日付)によると、ヒトの日焼けの1000億分の1は、「天の川」の、はるか彼方からやって来た光によって引き起こされると伝えている。

 地球に届く光は、太陽からのものがほとんどだが、ごく微量ではあるが銀河系外からも降り注いでいるのも事実だ。国際電波天文学研究センター(ICRAR)の天体物理学者サイモン・ドライバー教授の研究では、巨大ブラックホールから放射される「銀河系外背景光 (extragalactic background light、EBL)」と呼ばれるフォトン(光子)が、何十億年という時間をかけて、ヒトの肌めがけて宇宙を旅していると発表している。

 この銀河系外背景光だが、これまでは太陽系に存在する塵のせいで太陽光が反射してしまい、正確な測定が難しかったという。しかし、ドライバー教授の研究チームは、アメリカ・アリゾナ州立大学や英国・カーディフ大学との協働で、NASAの宇宙望遠鏡「スピッツァー宇宙望遠鏡」と「ハッブル宇宙望遠鏡」、欧州宇宙機関の「ハーシェル宇宙望遠鏡」、さらにオーストラリアの調査プロジェクト「GAMA」などの観測機器を駆使することにより、今回、世界最高水準の精度で銀河系外背景光のデータを得ることに成功したということだ

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「ハーシェル宇宙望遠鏡」 画像は「wikipedia」より

■銀河系自体が“日焼け止めクリーム”

 また、人間は昼夜を問わず、戸外にいる間中はずっと、1秒間におよそ100億フォトン――銀河系から50億フォトン、ブラックホールから50億フォトンの銀河系外背景光を受け取っている計算になるという。

“1秒間に100億フォトン”なんていうと、なんだかとてつもない数字のようで怖くなるが、ドライバー教授によれば、屋外で1兆年くらい過ごさない限り、重篤な病気になることはないということだ。

 また、同チームのメンバーである米アリゾナ州立大学のロジエ・ウイングフォースト教授も「宇宙空間の紫外線から生み出されるエネルギーのおよそ半分は、塵微粒子により有害でない波長へと変化します。銀河系自体が“天然の日焼け止めクリーム”として我々を保護してくれるので心配はいりません」と答えている。

「キミの日焼けした素肌には、はるか銀河の彼方から光が届いている」なんて、ロマンティックな口説き文句になるかもしれない――今年の夏も、残りわずかだ。
(文=佐藤Kay)


参考:「Popular Science」、「EurekAlert!」、ほか

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