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●アマトキシン(アマニチン)

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ドクツルタケ 画像は「Wikipedia」より引用

 アマトキシンは、微妙な分子構造の差異によってα(アルファ)~ε(イプシロン)などに大別され、それぞれが誘導体を持っています。ただし基本的な分子構造は同じで、毒性も似ている。ネズミの致死量は約0.3mg/kgで、ドクツルタケだと1本に10~15mg含まれていますから、2本も食べれば致命的な量となります。同様に、コレラタケも数本食べただけで命を落とした例があるので、毒の含有量はドクツルタケと近いものと思われます。

 ちなみにアマトキシンは乾燥にも熱にも強いため、乾燥保存した標本にも十分に毒性が残っていることが知られています。

 コレラタケを食べると、10時間程度でコレラのような凄まじい下痢を引き起こします(これは別の毒性分の影響と思われる)が、その症状は1~2日で治まります。しかし本当に恐ろしいのはその後で、肝臓の細胞に到達したアマトキシンが、その細胞を壊死させていくのです。肝臓は異変に気づきにくい臓器としても知られていますが、数日~1週間くらいで猛烈な肝機能障害が起き、治療をしなければ10日程度で死に至ります。

 解毒剤はなく、人工透析や各諸症状の対処療法を行うことしかできず、病院に担ぎ込まれるのが遅かった場合には、肝機能の大半が失われて命を落とすことも多いのです。

 肝臓に入り込んだアマトキシンは、RNA生合成を阻害します。つまり肝細胞が活動するための指揮系統たる部分が邪魔され、細胞にダメージが蓄積していき、ゆっくりと死んでいくという仕組みのようです。
 
 とにもかくにも、キノコを食べた後、半日ほどして凄まじい下痢を起こしたら、体調が回復したと思っても絶対に病院に行くこと! これだけは肝に銘じておきましょう。

 (文=くられ/シリーズまとめ読みはコチラ


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■くられ
 添加物を駆使した食欲の失せるカラフルな料理やら、露悪的で馬鹿げた実験を紹介していく、「アリエナイ理科ノ教科書」の著者、サイエンスライター。公演やテレビ出演なども多数。無料のメールマガジンも配信している。ひっそり大学で先生をしてたりもする。WEBや雑誌での薬と毒関連の連載をまとめた新刊『悪魔が教える 願いが叶う毒と薬』(三才ブックス)が好評発売中。
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