>  > 絶滅した「せむし男映画」の世界【後編】

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※イメージ画像:『ヘルショック 戦慄の蘇生実験 デジタル・リマスター版』

『傴僂男ゴト 戦慄の蘇生実験』
1973年・スペイン(日本未公開)
監督・脚本/ハヴィエル・アグィーレ
主演/ポール・ナッシー、ロッサナ・ヤンニほか

 前編で紹介した「日本のせむし男映画」に対し、今回は欧米の作品について述べよう。まずは1982年に東京12チャンネル(現・テレビ東京)で『ヘルショック』というテレビ題で放送され、後に『傴僂男ゴト 戦慄の蘇生実験』としてビデオ発売された怪作だ。

 主演のゴトに扮したのは、ホラーマニアに根強い人気のポール・ナッシー。スペインのマドリードで生まれたナッシーは、8歳の時に観た『フランケンシュタイン対狼男』(43年)で、満月の夜に変身する狼男に衝撃を受けた。それまで当時の子供達がロビンフッドに抱いていたヒーロー観がひっくり返ったのだ。さらに運命的だったのは、狼男を演じたロン・チャイニーが1923年版『ノートルダムの傴僂男』で「史上最も醜いせむし男」と評価された屈指の怪奇俳優だったことだ。成長したナッシーは次世代の狼男俳優として活躍し、せむし男を演じた『傴僂男ゴト~』で、1973年パリ国際ファンタスティック映画祭のジョルジュ・メリエス賞(特別主演賞)を受賞する。

 脚本はポール・ナッシー(ハシント・モリーナ名義)自らの原案を元に、監督と共同で練り上げた。以降ストーリーを述べるが、『ヘルショック 戦慄の蘇生実験』というタイトルでDVDが発売されているので、特にラストはネタバレ注意。

■『傴僂男ゴト 戦慄の蘇生実験』あらすじ

 スペイン北部に建つ大病院の死体安置所で働くゴトは、生まれつき背骨が曲がる病気で頭も弱く、町の人達から侮蔑される日常を送っていた。そんなゴトの生き甲斐は、不治の病で入院する幼馴染みの女友だちイルサを見舞うことだった。ある日、近所のガキ共に「汚いサル野郎」と石を投げられ血を流して倒れていたゴトは、美女に手を差し伸べられる。それは精神病の更生院に勤務するエルケで、ゴトは彼女に淡い恋心を抱いていた。

 そんな日々を送っていたゴトだが、まもなくイルサが亡くなってしまう。ゴトが死体安置所で落ち込んでいると、日頃から彼を虐めるふたりの研修医がイルサの遺体を運んできた。そして、罰当たりにも彼女の首に掛かっている金の首輪を勝手に外し、売り飛ばそうとしていたのだ。

 これに激怒したゴトは斧でひとりの首を撥ね、もうひとりは腹を切って臓物ドロリ。ついでに自宅にいたイジメっ子も絞殺する。ゴトは誰にも知られていない秘密の洞窟にイルサを運ぶが、目を離した隙にネズミが遺体に群がり顔を齧られてしまう。再び激怒のゴトは松明でネズミに着火。本当に火ダルマとなって走り回るネズミの群れ!

 イルサが殺された挙句、死体になってまで蹂躙されてしまい、悲しみにくれるゴト。そんな彼に、密かに人工生命の研究を進めていた精神病の更生院のオルラ院長は「イルサを生き返らせてあげる」とゴトをそそのかし、洞窟に研究室を移す。

 教授を信じて献身的に暗躍するゴトだが、雑用に雇われている3人のバカが、腐ってきたイルサの遺体を死体処理用の硫酸風呂で溶かしてしまう。そこへゴトが戻ってきて三度激怒、ひとりを硫酸風呂に叩き込むなどして3人を殺害する。ゴトはイルサが溶けてしまったのでヤル気をなくし、警察に自主すると言う。困った教授は「よし。新しいイルサを作ってやる」と、その場しのぎのハッタリをかまして、お人好しのゴトを説得する。

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コメント

1:匿名2016年10月 1日 01:29 | 返信

直輸入版だが
全編フランス語のミュージカル《ノートルダム ド パリ》もあるぞ
これは恋愛物というより移民問題が テーマっぽい

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