>  > 韓国「汚職撲滅法」施行で戦々恐々

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イメージ画像(Thinkstockより)

【日刊サイゾーより】

 9月28日、韓国では新たな法律が施行された。それが、「不正請託及び、金品などの授受の禁止に関する法律(略称:請託禁止法)」。提案者の名前から、通称「キム・ヨンラン法」と呼ばれ、韓国社会に蔓延する腐敗を一掃するというのが目的だ。

 一言で言えば「接待禁止法」であり、公務員やマスコミ関係者、私立学校職員、およびその配偶者が、一定額以上の現金やプレゼント、接待を受けることを禁止するというもの。もちろん、違反すれば送った側も罪に問われる。

 対象者数は、およそ400万人。同法の施行によって、3万ウォン(約3,000円)を超える飲食の接待や、5万ウォン(約5,000円)を超えるプレゼントに始まり、ゴルフなどのレジャー施設を利用した接待も禁止された。また、対象者が同一人物から一度に100万ウォン(約10万円)、年間300万ウォン(約30万円)を超える金品を受け取った場合、最高で3年以下の懲役、もしくは3,000万ウォン(約300万円)以下の罰金となる。

「キム・ヨンラン法」制定に当たっては、長い年月をかけて審議が重ねられたが、さっそく問題が浮上している。それが、違反者を通報した者に、最大2億ウォン(約2,000万円)の褒賞金を与えるという密告の推奨だ。その結果、施行当日には一般市民による過度な通報・密告が相次いだ。

 通報第1号は、韓国のある大学での一幕。なんと、1人の学生が教授に缶コーヒーを渡しただけで、警察に「違法行為の瞬間を目撃した」というタレコミがあったのだ。「缶コーヒー1杯で?」と思うかもしれないが、この法律では「プレゼントを受け取ることで、学生の評価が変わる」という懸念から、学校関係者への贈答品は一切禁止されている。

 いつ通報されるかわからない状況は、対象者たちに多大なストレスを与えている。実際、施行当日の各地域の警察署などには、「公職員以外の人間が間に入って、その人におごるという形も違反なのか?」「職場仲間におごるのもダメなのか?」など、数千から数万の質問が相次いだという。

 一方、「キム・ヨンラン法」に翻弄されるのは公務員ばかりではない。外食産業やデパート、ゴルフなどのレジャー施設の打撃も大きい。刑罰を恐れた利用客の激減することが懸念されるからだ。

 韓国経済研究院は、「キム・ヨンラン法の施行によって、外食産業や流通業、レジャー産業は年間11兆6,000億ウォン(約1兆6,000億円)の経済的損失を負う」と予想している。

 実際、一部飲食店では3万ウォンの上限を超えないよう2万9,900ウォン(約2,990円)の接待コースを作ったり、デパートの贈答品コーナーでも、4万9,900ウォン(約4,990円)のプレゼント販売がされたりと、どの業種においても、生き残りをかけた戦いが始まった。施行前日には、多くの公務員が高級料理店で最後の接待を受けたという報道もある。

 これまで、韓国社会では接待文化が強烈に根付いていて、公務員が贈賄を受けるのが当然という風潮だった。はたして、「キム・ヨンラン法」の施行は、そうした韓国の贈賄文化を改善することができるのか――。今後の展開に注目したい。

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