>  >  > 大麻は食べてもラリらない

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【ヘルドクター・クラレのググっても出ない毒薬の手帳】
第14回 大麻/最終編

【前編(大麻の歴史と認識)はコチラ
【中編(大麻の効果とデメリット)はコチラ

 さて、長かった大麻の話もいよいよ大詰め、みんな大好き生化学地獄です。大麻の成分ってなんだっけ? なんで効果があるんだろう? そうした疑問に答えていきます。


■大麻の成分

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 大麻の成分は、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビジオール(CBD)というものが主成分で、これらを総称してカンナビノイドといます。精神作用があるのは一部のカンナビノールで、最近は逆に精神作用の抑制効果を持つものも見つかっています。

 これらの成分は、生の葉の状態では「カルボン酸」が付いた構造をしているのですが、加熱や乾燥といった変化を加えることによって、精神作用を持つ(受容体にくっつく)成分へと変化します。要するに生の大麻をサラダでムシャムシャ食べてもラリることはないということです(物理的に繊維が多くて無理そうですがw)。

 以前、この連載でも紹介したケシ(アヘン)の成分であるオピオイドには、脳内にオピオイド受容体があるという話をしたのを覚えているでしょうか?

 このカンナビノイドも脳内に結合する専用の受容体があり、カンナビノイド受容体(カンナビノイドレセプター)と呼んでいます。つまり脳内モルヒネがあるのと同じで脳内マリファナもあると言えるわけです。

 内因性オピオイドのエンドルフィンがあるように、内因性カンナビノイドにはアナンダミドなどがあります。化学が好きな人は、それらの分子構造と外部から入れるモルヒネやTHCの分子構造とにらめっこしてみると、納得できるものが見えてきます。

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画像は、「cannabisoils」より

 カンナビノイド受容体には、CB1とCB2という2つの受容体が見つかっており(もちろん例のごとく見つかって増える可能性はあるわけですが)それらが、脳内のダイナミックな機能をスイッチする役割を持っています。

 オピオイドは痛みは抑えても、中毒性の高さや便秘などの体へのダメージがあるため、限られた状況でしか使えませんが、カンナビノイドにはそこまでの毒性を発揮せず、慢性的な痛みを効率的に抑えることができる…、つまり、特に副作用が少なく痛みを抑える鎮痛作用が優れている面を期待されて、研究されています。

 ただ、この研究が後ほど本連載で紹介する「脱法ハーブ(危険ドラッグ)」の引き金を引くことになってしまい、現在、どえらいことになってるわけですが、元々の研究には当然罪はありません。

 CB1受容体に入るカンナビノイドは精神作用が強く、CB2には精神作用が出にくいということから、できるだけCB2にのみ入るようにデザインしたカンナビノイドが求められるわけですが、それでも一部はCB1に入るなどして精神作用を持つ……というのが、脱法ハーブの危険性に繋がっていくのは後日紹介します。

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