>  >  > ヘビの遺伝子をマウスに注入→手足のないマウス誕生

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――科学分野だけではなく、オカルト・不思議分野にも造詣が深い理学博士X氏が、世の中の仰天最新生物ニュースに答えるシリーズ

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イメージ画像:「Thinkstock」より

 ヘビにはどうして手足がないのだろうか? 聖書によると、ヘビはイヴをそそのかしたことで神の怒りを受け、罰として手足を奪われて地に落とされてしまったのだという。伝承の真偽はともかくとして、実は現在のヘビの一部にも手足の痕跡が残っている。また、1億年以上前に存在したヘビの祖先の化石には、手足があったこともわかっている。ヘビが四肢を失うに至った進化の過程には謎が多いのだ。

 そして今月20日、ヘビの進化に関わる、とある驚くべき研究成果が学術誌「Cell」に発表されて話題を呼んでいる。なんと、ヘビが手足を失った原因は遺伝子のほんのわずかな欠失にあり、それをマウスに導入すると、マウスの四肢も欠損してしまったのだという。


■ヘビの遺伝子をマウスに注入したら……!

 論文によると、ヘビの手足の消失には「ソニック・ヘッジホッグ」という遺伝子が関わっている。ソニック・ヘッジホッグは生物を形づくる重要な遺伝子の一つで、ショウジョウバエからヒトまで幅広い生物に保存されている。受精卵が分裂し、胚が発達して形を作る過程で大きな役割を担う遺伝子として古くから知られており、今なお世界中で研究の対象となっている遺伝子だ。ちなみに、その名前は、お察しの通りゲームの有名キャラクターに由来する。

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実験の手順 「Cell」より引用

 このソニック・ヘッジホッグ遺伝子には、「エンハンサー」と呼ばれる遺伝子の発現を調節する領域があるのだが、ヘビのものには他の動物には見られない塩基対の欠失がある。そこで、コブラの遺伝子から問題の領域だけを切り取って、マウスに導入した。すると、驚くべきことにコブラのエンハンサーを持つマウスは、ヘビのように四肢を欠損して生まれてきたというのだ。論文中では、コブラだけでなくヒトやゼブラフィッシュのエンハンサー領域に組み換えたマウスも作成されている。しかし、四肢が欠損したのはコブラとニシキヘビのエンハンサー領域を持つマウスだけだった。そしてさらに驚くべきことには、ヘビに特異的に欠けている17塩基対のDNAを追加したエンハンサー領域をマウスに導入すると、今度はちゃんと手足が生えたマウスが生まれてきた。つまり、ヘビの四肢が存在しないのは、問題の領域でほんの少しのDNAが欠損しているからにすぎないのだ。


■理学博士「ヒトにも応用可能」

 この論文について、生物学に詳しい理学博士X氏に詳しく見解をうかがった。

「エンハンサー領域を組み換えるだけで、ここまで劇的に形が変わるというのは面白いですね。遺伝子の欠失部分を補うと手足が生えたというのも興味深い。これは、ヘビに欠失部分を導入してやれば手足が生える可能性も示しています。大変興味深いです」

コメント

1:匿名2016年11月 5日 14:11 | 返信

「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」ではなく「ソニック・ヘッジホッグ」。

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