>  >  > 手足や股間の超・肥大化が止まらない「象皮病」

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画像は、「Medical Pictures Info」より

 2014年、ネッタイシマカやヒトスジシマカといった蚊を媒介として感染する「デング熱」が、日本でおよそ70年ぶりに確認され、大きな話題となったことは記憶に新しいだろう。デング熱は、世界中で毎年1億人以上もの患者が発生しているとされ、特に亜熱帯地域を中心に流行している。症状としては、発疹・頭痛・骨関節痛・嘔吐などが見られる。日本では2016年にデング熱による死亡例も報告されており、昨今は、蚊に刺されることを決して甘く見ることはできない。

 蚊に刺されることで感染する病気は他にもある。「象皮病」または「リンパ管フィラリア症」と名づけられた皮膚病だ。フィラリアという寄生蠕虫(ぜんちゅう)が病原体で、その幼虫を持つ蚊に刺されることで感染する。フィラリアの幼虫が体内に侵入すると、リンパ管へ寄生し、やがて成虫に育つ。そしてリンパ系内部に巣を作り、大きなダメージを与える。フィラリア感染は、幼少期に起こり、成人後になって症状が現れるケースがほとんどだ。

 症状として、感染初期にはインフルエンザによく似た症状が現れる。ただ、この段階で感染に気づくことは少ない。その後、リンパ液の流れが滞り、むくみに似た症状も起きる。さらに悪化すると、リンパ浮腫、そして象皮病へと進行する。象皮病に至ると、文字通り皮膚が象の皮膚のように硬くなり、足や手といった身体の末端部分が超肥大化する。中には陰部が肥大化するケースも報告されている。

 治療には、ジエチルカルバマジン、アルベンダゾール、そしてイベルメクチンをはじめとする薬の投与が行われる。ただ、症状が象皮病まで悪化している場合、たとえフィラリアを駆除したとしても皮膚の肥大化が止まらない恐れがある。肥大した皮膚は手術によって取り除かれるが、手術後は、皮膚の下の筋肉組織が丸見えの状態だ。また、陰部の手術では、性器自体が皮膚に埋まっているため、尿道に管を挿して排せつ行為を促すという。

 象皮病の患者数は世界で1億人を超えるが、亜熱帯地域における発症例しか報告されていない。なお、日本では江戸や明治時代に流行ったという報告があり、あの西郷隆盛も患っていたことは有名だ。彼の場合は、陰嚢がカボチャ並みに腫れあがったという記録もある。フィラリア感染の予防法として重要なのは、蚊にさされないことに尽きる。明治時代以降、日本での発症例は無いようだが、旅先では蚊に刺されないよう細心の注意が必要だろう。
(文=北原大悟)

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