>  > 中国農村「女児なら中絶」は常識

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日刊サイゾー

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胎児への性別検査禁止を訴える政府機関のポスター

【日刊サイゾーより】

 中国では現在、年間1,000万件以上の人工中絶手術が行われているというが、これは正規の病院で施術したものしかカウントされていない。実際はヤミ医者を利用する女性も多く、その数はさらに多いと考えていいだろう。そんな中、中絶手術をめぐって気になるニュースが報じられた。

「環球網」(1月9日付)によると、近年、中国では法律で禁じられているはずの胎児の性別判定検査が行われており、その結果を受けて堕胎する妊婦が後を絶たないのだという。事の発端は、浙江省永嘉県で行われた国家衛生・計画生育委員会の調査により、この地域では、妊婦が妊娠4~9週目で堕胎するケースが多いという事実が判明したためだった。このデータに疑問を持った当局がさらに調査を進めたところ、妊娠たちは性別判定検査を行い、胎児の性別が女児の場合、堕胎していたことがわかったのだ。

同地域に住む堕胎経験者の女性は地元メディアの取材に対して、「中国国内では性別判定が禁止されているので、香港の機関に尿を送って検査してもらった。結果、自分のおなかの子どもは女児だったので、翌日、地元の病院で中絶手術をした」と証言。性別判定は、通常、妊婦の尿や少量の血液によって行うことができる。

 同地の妊婦たちは性別検査を取り仕切る仲介業者に4,000元(約6万円)支払い、仲介業者の用意した部屋で血液を採取。その後、血液サンプルは、仲介業者から香港の検査機関に送られるという。この検査機関では、妊婦の血液に含まれる胎児のDNAを鑑定し、性別を判断する。

 「環球網」は、今回と同様の事件は浙江省だけでなく、中国全土20以上の省と自治区でも確認され、胎児の性別を理由に堕胎した妊婦は、わかっているだけで5万人以上いると報じられている。こうした背景には、もちろん中国の内陸部や農村部にはびこる男尊女卑の文化が大きく関係している。中国事情に詳しい、北京駐在の大手紙特派員は言う。

「農村部では男尊女卑の文化が残る地域が多く、現在でも女児が生まれると、遺棄したり、売ったりする家庭が後を絶ちません。今回のような仲介業者も、需要があるから生まれたビジネスなのでしょう。中国の男女比率は現在、113:100で、社会問題になっていますが、その背景にはこういった事情があるのです。今回、報じられた永嘉県では、なんと男女比が136:100にまで広がり、極めていびつな状態になっています」

 ネット上では、格安で胎児の性別判定を請け負う業者の広告も氾濫している。ところが、このような業者のほとんどは、医師免許も持っていない。今回の業者も、当局の調べにより、医師でもない素人が妊婦の採血をしていたことが判明している。文明の発達した、この現代社会においても、生まれてくる場所と性別によって命の選別が行われているとは、なんとも嘆かわしい限りだ。
(文=青山大樹)

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