>  > 「ほとんどビョーキ」な傑作『日本残虐女拷問』

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天野ミチヒロ

――絶滅映像作品の収集に命を懸ける男・天野ミチヒロが、ツッコミどころ満載の封印映画をメッタ斬り!

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※イメージ画像:『日本残虐女拷問』

『日本残虐女拷問』
1977年・新東宝
脚本/中村幻児
監督/山本晋也
出演/南ゆき、渚りな、久保新二ほか
※のち『日本女拷問』『緊縛縄地獄』と改題されて2度の再公開。

 昨年の12月25日クリスマスから3回にわたり、伝説の深夜バラエティ『トゥナイト2』(テレビ朝日系)の特番『甦るトゥナイト2』がCSで放送され話題になった。当時のレギュラー出演者、石川次郎・乱一世・高尾晶子、そしてピンク映画の巨匠・山本晋也といった顔ぶれが再登場し、視聴していた世代の郷愁を誘った。

 1980年に放送が開始された『トゥナイト』は1994年に『トゥナイト2』としてリニュアルされ、番組が終了する2002年までの22年にわたり、夜の0時前後に1人悶々としている若者たちへさまざまな情報を発信し続けたのだ。

 そして、やはり『トゥナイト』といえばエロ。チョビヒゲとサングラスがトレードマークの「カントク」こと山本晋也の性風俗リポートは人気コーナーだった。山本晋也は60年代から70年代にかけて次々とピンク映画をヒットさせ、彼のフレーズ「ほとんどビョーキ」「すごいですね~」は流行語にもなった。だが彼の作品はあまりソフト化に恵まれず、今回紹介する作品も昔買ったビデオで改めて観たのだが……これが傑作だった!

 内容は、明治から昭和にかけて激動する日本において、男に翻弄された女の悲劇を描いた3話オムニバス構成のSMマニア向けの作品。スタッフの中に、『ゆきゆきて、神軍』(87年)の監督・原一男が助監督として名を連ねていたのは新発見だった。

<明治編>
 明治11年のある日、仕事が終わって飲んだくれた黒田清隆(10年後の内閣総理大臣)は、日本刀を手放さずに夫人・かね(史実では清)をバックから犯している。さすが薩摩の勇士といったところか!? そして、事を終えた直後、今度はわざわざラシャメン(外国人専用の娼婦)の珠を部屋に呼び寄せ、その目前で再び妻を犯す。黒田は途中から珠と交わり、「かね、ほれ、見ておれ。ほれほれ」。「お許しください」と目を背ける妻に「かね、見てみろ。よいぞ~」。だが、背を向けてどうしても行為を見ようとしない妻にキレた黒田は、後ろから彼女を日本刀でバッサリ!

 悲鳴を聞き駆け付けた邏卒(らそつ。巡査の旧称)は、政界のお偉いさんを庇い立てし、珠が手引きした賊軍(黒田の政敵)が夫人を殺したという筋書きをでっち上げ拷問に及ぶ。邏卒を演じたのは、ピンク映画に850本以上出演し、「ピンクリボン賞主演男優賞」「にっかつロマン大賞主演男優賞」を受賞した「ポルノの帝王」こと久保新二。60年代の下積み時代に、売れる前の漫画家・楳図かずおと同居していた話の方にも興味がある(笑)。

 珠は、裏返しにした円卓の脚に大股開きで緊縛される。邏卒は珠の乳首を指の爪で血が出るまでつねり、とろろ芋を股間に塗り込む。苦悶する珠の表情を楽しむ邏卒は、さらにランプから男根みたいな形をしたガラスカバーを外し、それを挿入。すると「パリン!」と中で割れてしまう……。珠のナレーション「あたし、おなごでございます。官軍も賊軍もありません。死んでも死に切れません。邏卒さん、あの世からお恨み申し上げます」。

 さて黒田の件だが、実は史実を下敷きにしたエピソードだった。劇中と同じ明治11年の3月28日、泥酔して帰宅した黒田が「出迎えが遅い!」と逆上して妻を殺害したという新聞報道がされた。大久保利通の根回しで無実と結論付けられたが、黒田の酒乱には周囲も手を焼いていたようで、開拓長官時代には航行中の船から意味なく大砲を撃って、陸にいた人間を爆死させた事があるという(おいおい)。

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