>  > ドタキャン癖が徐々に悪化して失踪

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 風俗店でのプレイ中にくも膜下出血を発症し、生死の境をさ迷ったという実体験をもとに描かれたエッセイ漫画『くも漫。』が大好評のすえ、ついに実写映画化も決定、2月4より新宿バルト9ほかにて公開予定だ。原作者の漫画家・中川学とは一体どんな人物なのだろうか? 今回は、去年の暮れに刊行されたトカナの“病める読者”に強力にオススメしたいエッセイ漫画『探さないでください』について伺った。

前回のインタビュー【『くも漫。』知られざる裏話】


――さて、続いては去年の暮れに刊行された『探さないでください』についてもお伺いしたいと思います。こちらは中川先生が地元の北海道で中学校の数学教師をやっていて、そこから失踪した体験を描いたエッセイ漫画じゃないですか。

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探さないでください』平凡社

中川学先生(以降、中川) はい。

――この失踪に至った時の先生の心境って、どんな感じだったんですか?

中川 そうですね。とにかくもう職場に行きたくないって気持ちが決定的になって。だったら普通に辞めればいいじゃん、って皆さん思うかも知れませんが、もう校長先生や教頭先生に会うのも嫌なんですよ。その辛さと、失踪によるリスク…普通に考えると、失踪のリスクって凄い高いじゃないですか?

――はい。

中川 それを天秤にかけた時に、まだ失踪によるリスクの方が精神的に楽だったんですよね。とにかくこう、直接的に怒られるのが一番嫌なんですよ。自分がいなくなった後に、「あいつ失踪してどうしようもないな」とか言われるだろうなっていうのは気にならなくて。とにかく自分の目の前で責められたりとか、不快な気持ちにさせられたりとかが嫌なんです。それで失踪を選んだっていう。

――辞職届を出しにいって怒られるリスクの方が、失踪のリスクを上回ってしまった、と。作中では、パン屋や農家などの他のアルバイトからも逃げたという経験が書かれていますが、そういった癖がついたのっていつ頃なんでしょう?

中川 それはですね、そもそも失踪っていうのは、ホップ、ステップ、ジャンプで言ったらジャンプなんですね。ホップに当たるのは、僕が大学生だった時の教育実習ですね。中学校と小学校の両方をやったんですけど、中学校はつつがなく終わらせたんですよ。でも小学校の時に、もう一人の教育実習生と二人で、実習の最後にチームティーチングをすることになったんですよ。僕、共同作業とか苦手なので、指導計画とか全部自分で書いて、「僕がリードするからサポートでいいよ」ってもう一人の人に言って。なのに、当日シンドくなってドタキャンしちゃったんですよね。

――えー!

中川 だから残された人は全部僕に任せてるから、当日大変だったでしょうね。
――その時は、それまでやる気があったんですよね? またどうして…。

中川 僕、精神に結構浮き沈みがあるんですよ。だから、その時鬱になってたのかもしれませんね。会社員が向いてないのかも知れませんけど、同じ時間に同じ場所に行くっていうのが本当に辛くて。今日は誰にも会いたくないなっていう。

――あー、じゃあその精神が沈んだ日がたまたまチームティーチングの日に重なっちゃったというか。それでは、ステップにあたるものは何でしょう。

中川 そうですね、ステップは…そんなドタキャンをしながらも、教育大学を卒業して、失踪したのとは別の中学校に勤めることになったんですけど、そこでやっぱり毎日通うのが辛くなってですね。その時は失踪はしなかったんですけど、無断欠勤をしちゃいまして。それでそのまま辞めちゃったんですよね。

――なるほど…。この時は何か辛くなった理由ってありますかね? 失踪の時には、部活の担当とか雑務を割り振られ過ぎたり、生徒の態度があまり良くなかったのが原因になったみたいな描写が作中に出てきましたが。

中川 生徒には、基本的にすぐにナメられるんですよ。この時もそれで徐々に心がやられまして。ずっと我慢してて、もうダメだな、と。

――ちなみに、そのナメられるっていうのは、どういう風にでしょうか? テレビでよくやる学級崩壊みたいに、生徒が授業を無視して、ゲームしちゃってるとか、寝てるとか、そういう感じなんですか?

中川 失踪した方の学校はそれに近い感じでしたね。無断欠勤した方は…タメ口とか、そういう感じかなあ。

――タメ口ですかー。確かにちょっとそれは心に来そうですね。

中川 悪い生徒とかではないんですけどね。僕が常に辞めたいって思いながら学校に通ってて、そういうのが見透かされたのかな、と思いますね。やっぱり、子供ってそういうの鋭いじゃないですか。あと、やっぱり好き嫌いってあるじゃないですか、人間だから。本当は平等に接しなきゃいけないんだけど…。僕も好き嫌い激しい方だから、「こいつ嫌いだな、頭叩きてえ」とか思っちゃうんですけど(笑)。

――仕方ないですよね(笑)。

中川 でも、こういう気持ちって結構伝わっちゃうんですよね。自分が子供の時って、そういうのに敏感だった気がするんですよ。

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中川学氏

――あー、わかります。可愛い女の子にやたらと優しい先生とかよくいましたし。…ちょっと話が脱線しちゃってアレなんですけど、以前から小学校の先生ってちょっとロリコンぽい人多いんじゃないかって思ってたんですが、実際どうなんですか?

中川 いや、絶対多いですよ。

――中川先生のお知り合いには、そういう人いませんでした?

中川 それ聞いちゃいますか? 実は知り合いにすごい人いて、僕がある小学校に勤めていた時に、同僚の爽やかな若い男の先生がいたんですよ。僕より年下だったんですが、僕が後に入ったから色々教えてくれて。生徒にも人気がありましてね。それで、僕は何もなくその学校を満期で辞めたんですが、1年後ぐらいに新聞見たら、その先生が児童ポルノの画像を売買して捕まってたんです!

――えええー! ハンパじゃないですね、それ(笑)。先生が在学中には全く気が付きませんでした?

中川 いや、なんかの画像をパソコン上でやりとりして売ったりっていうサイドビジネスの話をチラッとしてたんですよね。それって何か法律に抵触するんじゃないかな、ぐらいに思ってたんですけど。子供のだとは思いませんでしたけどね。

――普通のエロでも聖職者としてはどうなんだという(笑)。

中川 新聞見て「あの時のやつか!」って。きっと周りも衝撃だったろうなと。

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