【閲覧注意】奇病・人魚症候群の赤ん坊
【閲覧注意・奇病】“人魚の子ども”と呼ばれる赤ん坊 ― 足が巨大なヒレに、性別もわからない「人魚症候群」の悲劇
ディズニー映画「リトル・マーメイド」の影響から、一度でいいから人魚になってみたいと空想したことがある人もいるだろう。だが世界には、人魚のような姿で生まれてくる奇病が本当に存在する。“人魚症候群”と呼ばれるその病気は、10万人に1人の確率で現れるといわれ、発症すれば生まれながらにして下半身が融合した状態となる。しかも、人魚症候群の赤ん坊の多くは生後数日で死亡してしまうというから、これは命に関わる極めて深刻な事態だ。ちなみに、一卵性双生児では人魚症候群の発症確率が通常の100倍にまで高まるといわれている。
2000年、米国・メイン州で人魚症候群の女児が誕生した。しかし彼女は、高い死亡率を伴う病気を抱えながら150回もの手術を乗り越え、なんと2009年に亡くなるまで約10年にわたり生き続けたという。一方、昨年5月にインドで生まれた人魚症候群の赤ちゃんは、生後わずか10分間で息を引き取ったという。そして今月15日には、英紙「Daily Mail」が、人魚症候群を患った生後10カ月になるタイ人の赤ちゃんを報じている。
ミャンマーと国境を接するカンチャナブリー地方に生まれた赤ちゃん(Jermkwan Krathumnatちゃん)の両手は、5本の指が全て結合し、ほとんど丸い形状だ。両足は辛うじて二股に分かれているものの、皮膚が融合し合っているため、太ももやふくらはぎ、足首などは一切確認できない。まるで大きな水掻きが足に形成されたように見える。また、驚くべきことに赤ちゃんには性器が見当たらず、医師も性別を判断しかねているようだ。さらに、右目も失明しているようだという。
「この子が生まれたとき、母親はまだあまりにも若かったうえ、父親は精神的な障害を抱えていた」(支援者)
現在、赤ちゃんはバンコクにあるスリラット病院で懸命な治療を受け続けているが、職に就いている家族が祖母だけしかおらず、治療費の捻出に苦労しているようだ。家族や支援者は、人々に対して寄付を呼びかけている。
人魚症候群の原因について依然として謎は多いが、リンジー・フィザリス博士が「Daily Mail」紙に語ったところによれば、「子宮内部で胎児の動脈が形成される際、へその緒に問題が発生し、血液供給に障害が生じてしまい、胎児が栄養失調に陥ることで手足の形成に問題が発生する」のだという。この困難な病気を抱えた世界中の子どもたちが、1日でも長く生き続けてくれることを祈るしかない。
(文=北原大悟)
参考:「Daily Mail」、ほか
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