>  > 日本人が知らないフランス・フリーメイスン

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フリーメイソン もうひとつの近代史 (講談社選書メチエ)

 高須クリニックの高須克弥院長がSNSでフリーメイソンとしての活動を盛んに発信するようになって、一般の方の間でフリーメイソンの認知度は今までになく高まっていると言えるかもしれない。しかし、日本のグランドロッジはもともと在日米軍とその家族のためのものであり、英米系のフリーメイスンである。フリーメイスンには英米とフランスの二つの流れがあり、フランスのフリーメイスンを巡る状況については日本ではあまり知られていない。そこで、仏大統領選におけるフリーメイソンの動向にも注目が集まるなか、2015年に『フリーメイソン もうひとつの近代史』(講談社選書メチエ)を出版されたフランス在住の竹下節子さんに、フランスのフリーメイスンに関して聞いた。


■フリーメイソンは秘密結社か

――フリーメイソンというと、よく「世界最大の秘密結社」と紹介されますが、この説明は合っていますか?

竹下節子さん(以下、竹下) 本にも書きましたが、フリーメイスンの「秘密性」とは3つありまして。

1、メンバーが自分で所属を明かすのは自由ですが、他のメンバーの帰属を明らかにしてはいけない。
2、イニシエーション(通過儀礼)や各種典礼の次第やシンボル、合言葉、さまざまなサインを公表しない。
3、ロッジ内で交わされた言葉や起こったことを多言しない。

 …なんですね。そうした「秘密性」を持っているという意味では秘密結社と言ってもいいと思います。ただ、(2)に関しては退会者によって多くの情報が出回っているので、ほとんど「秘密」の意味をなしていないと思いますけどね。同じく(2)に関してですが、あらゆる宗教やアソシエーション(結社)がそうですが、その組織が持つフィクションの世界の中に入っていくための入り口としてイニシエーション(入会儀礼)が設けられています。そしてそれは秘密にされているのが普通です。みんなで同じ世界に入って共有しないと伝わらないメッセージがある。だからそれが怪しいとか非科学的とかいわれるのはおかしいんですね。秘められた儀礼が行われているからといって、メンバーがその内容をそのまま信じていることにはならないわけです。

 それから、フランスのフリーメイソンの場合、ナチス占領下で資料がだいぶ散逸したり失われたりして、歴史の一部がわからないんですね。その結果、フリーメイソンに関する学術的研究が進まなかったことも、「秘密性」を高めていると言えると思います。ただ同じフリーメイソンでもロッジによって公開度が違います。フランスのグラントリアンはわりと何でもオープンにしますが、アングロ・サクソン系のフリーメイスンの方が秘密にする部分が多いですね。

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 ここで少し説明が必要だろう。イギリスの近代フリーメイソンは、ロンドンにあった4つのロッジがグランドロッジを結成した1717年に始まったとされる。一方でフランスでは1773年にそれまでイギリスの影響で存在したグランドロッジが廃止され、「グラントリアン」(大東社)が発足する。イギリスのフリーメイソンでは神の存在を前提としていたが、グラントリアンでは無神論を認める立場をとる。竹下さんがアングロ・サクソン系のフリーメイソンと言っているのは英米系のフリーメイソンを指す。

コメント

1:匿名2017年5月 4日 03:04 | 返信

トカナにしては真摯な良記事

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