>  >  > 源義経のネチネチセックスを描いた怪作映画とは?

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※イメージ画像:『壇の浦合戦記―江戸発禁本』

『壇ノ浦夜枕合戦記』
1977年・日活
脚本・監督/神代辰巳
出演/渡辺とく子、風間杜夫、花柳幻舟ほか

 幕末の尊王攘夷運動に影響を与えた『日本外史』の著者・頼山陽の作(異説あり)といわれる『壇ノ浦夜合戦記』。源義経と実在した皇室女性・建礼門院(けんれいもんいん)の情事を描いた江戸時代の好色文学だ。この作品を「ビジュアルで見たい!」と日活によって映画化されたのが『壇ノ浦夜枕合戦記』。

 監督は、以前このコラムで紹介した発禁小説の映画化『赤い帽子の女』ほか、日活ロマンポルノからテレビドラマまで、幅広い分野で数々の優れた作品を残した鬼才・神代辰巳。『壇ノ浦夜枕合戦記』は、かつてビデオが発売されていたがいまだDVD化されておらず、筆者は10年ほど前に単館上映で初めて鑑賞した。記憶を手繰ってストーリーを紹介しよう。

 盛者必衰、繁栄を誇った平清盛(小松方正)は熱病に倒れ、平家は1185年に勃発した「壇ノ浦の戦い」で滅亡する。清盛の次女で高倉天皇の皇后である建礼門院(渡辺とく子)は、まだ8歳の我が子・安徳天皇を抱き海に身を投げる。だが建礼門院は死にきれず、他の数人の女院たちと共に源氏に捕らわれの身となってしまう。

 源氏の荒くれ武将ら(丹古母鬼馬二など)は、捕えた女院たちを連日のようにオモチャにする。建屋のあちこちから聞こえてくる女院たちのすすり泣きと喘ぎ声。源氏の大将・源義経を演じたのは風間杜夫。風間は深作欣二監督の『蒲田行進曲』(82年)でブレイクし、堀ちえみ主演のテレビドラマ『スチュワーデス物語』(83年/TBS系)の教官役が、現在でも話題にされるほど一世を風靡した俳優。だが、この当時は日活ロマンポルノで、多くの作品で脇役をこなしていたころだった。

 武将らが女を取っかえひっかえするのに対し、義経だけは建礼門院一筋。彼女を住まわせている仮の御所にセッセと足を運んでは「やらせてくれ」と懇願する義経。建礼門院の尊い立場をわきまえてか、戦勝者の有利さで力にモノをいわせないところが、なかなかのフェミニストだ。調べると、このとき建礼門院は29か30歳で義経は4つ年下だ。

 一方、建礼門院はメソメソと泣きながらも、「非礼な」ときっぱり義経を拒絶する。そんなやり取りが何度も何度も本当にしつこいほど繰り返され、渡辺とく子もなかなか肌を見せない。観ている方としては内心「早くやれよ(笑)」といい加減に飽きてきたころ、建礼門院は義経の真っすぐな情熱に打たれ、徐々に心を開き始める。建礼門院が官能的な気持ちになるたび背景が白や赤に変化するという、神代辰巳監督の感情表現演出が面白い。

 そしてついに、建礼門院は義経に落とされる。義経のネチネチとした性技に溺れた挙句、「これがそうなのですね!」と建礼門院が人生で初めて絶頂を覚えたところで完。しかし、なぜか渡辺とく子が最後まで腰巻を外さないため、鑑賞後にはモヤモヤが残った。

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