>  > 隕石から創られた「流星刀」の持つ妖しい輝き

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 それでは前回に引き続き、今回は隕鉄由来の刀の斬れ味や実用性など、武器としての性能に迫っていきましょう。

前回記事はこちら

 隕鉄を原材料とした日本刀は前回ご説明したように、いずれも名高い刀匠が研究と努力と試行錯誤を重ねた結果としてようやく完成させた、まさに刀工技能のすべてが注ぎ込まれた結晶とも言えるものです。さて、それではこれら隕鉄刀の、武器としての実用性や斬れ味はいかがなものでしょうか。


■各種資料などから読み取る「隕鉄刀」の強度

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奉納された流星刀。刀身の独特な模様に注目。画像はYahoo!ニュースより引用

 流星刀の作刀についてのレポートである『流星刀記事』によれば「表面に浮かんでいる独特の模様は、鋼鉄を素材とした刀ではありえない隕鉄独特のもの」だそうです。また「表面を刻もうとしても粘り強く、刀身にノミが吸い込まれるようだった」、「打ち伸ばした鉄片を折ろうとしたが、曲がりはするものの、なかなか切断までには至らなかった」と触れています。

 これら証言は、流星刀の刀身が「粘り強く柔らかいが、故に曲がりやすい」ということを示しているものでしょう。

 『流星刀記事』内には他にも「匂浅く沸無き」と、焼き入れを行うことで表れる「匂」や「沸」がほとんど出ていない、すなわち「焼き入れこそしたものの、鉄がほとんど変質しなかった」と捉えられる記述も残されています。

 これら文献からは、隕鉄から作られた刀は日本刀製作の工程こそ踏んでいるものの、適量の炭素が含まれた鉄を変質させ、日本刀を斬れ味鋭い強靭な日本刀たらしめる重要な工程「焼き入れ」において、刀身がそれほど変質しなかったであろうことが伺えます。


■炭素含有量と「焼き入れ」の関係

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刀匠・吉原義人氏による隕鉄刀「天鉄刀」。千葉工業大学東京スカイツリータウンキャンパスより引用

 日本刀に限らず、世界中の「固く強い鉄製品」というものは、古来から鉄に適度な炭素の混ぜられた「鋼鉄」で作られています。実は純粋な鉄は非常に柔らかい物質なのですが、適量の炭素が加えられた後、900度以上の高温に熱してから水に漬け急激に冷ます「焼き入れ」の工程を行うと、柔らかかった鉄は内部の結晶構造が変質して硬質化、硬さと粘り強い柔軟性を兼ね備えた鋼鉄に生まれ変わるのです。

 焼き入れによって鋼鉄に変化する鉄の条件は「0.08%~2.14%の炭素が含まれている」ことです。これ以上でもこれ以下でも、焼き入れによって鉄が鋼鉄へ変化することはありません。

 なお、この0.08%という数字は「焼き入れを行えば、かろうじて硬く変質する」という最低限のレベルです。硬さと柔軟性を兼ね備えた、品質の良い鋼鉄へと変化する炭素含有量は「0.3%~2.14%」となっています。

 以上をまとめるに、炭素をほとんど含まない隕鉄由来の刀は「研がれているので斬れるには斬れるだろうが、炭素が少なすぎて焼き入れの効果が出ず、刀身が硬くしなやかな鋼鉄に変化していない、あるいはしきれていない。すなわち武器としては柔らかく実用的ではないもの」と考えられるでしょう。

コメント

2:匿名2017年7月12日 09:13 | 返信

>>1 差裏(さしうら)だと思いますよ。

1:匿名2017年7月11日 19:15 | 返信

なんで差裏の写真なんだ?表裏も分からないのかな

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