>  >  > 寒い部屋で金魚を飼えば、水槽の水がビールになる!?

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――科学分野だけではなく、オカルト・不思議分野にも造詣が深い理学博士X氏が、世の中の仰天最新生物ニュースに答えるシリーズ

 金魚やその仲間の中には、体内でアルコールを作り出すことができるものがいる。寒い冬の間、凍てついた水中で生き延びるための特殊能力だが、つい先日、その能力の一端を解明する論文が発表された。このニュースは英「BBC」などでも取り上げられ、大きな話題となっている。


■体内でアルコールを作る金魚やフナ

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画像は「BBC」より引用

 金魚やその近縁種である野生のフナには、体内で乳酸からアルコールを作り出す特殊な代謝経路が存在する。寒さ厳しい北ヨーロッパの冬、氷が張った池や湖の水中は無酸素状態になるが、その中で3~4カ月にわたり生き抜くために身につけた特殊能力であるという。アルコールを生成する魚たちの血中アルコール濃度は、なんと100mlあたり50mgを超える。人間ならば多くの国で飲酒運転で捕まるレベルである。冬の凍てつく湖の中で、フナたちはへべれけ状態になっていたのだ。

 フナのアルコール生成能力自体は1980年代から知られていたが、その詳細は不明だった。だが今回、英リバプール大学とノルウェー・オスロ大学の合同研究チームは、金魚を含むフナ属の魚が体内でどのように乳酸からアルコールを作るのか、その分子生物学的なメカニズムを明らかにした。論文は今月11日付のオンラインジャーナル「Scientific Reports」に掲載された。

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画像は「Scientific Reports」より引用

 一般に、体内のグルコース(糖)はピルビン酸へと変換され、ミトコンドリアでエネルギーを得るのに使われる。だが、無酸素状態では副産物として乳酸が作られる。論文によると、フナ属のミトコンドリアには無酸素の状態で活性化し、ピルビン酸からエネルギーとアセトアルデヒドを生成する特殊なタンパク質複合体が存在する。さらに、ミトコンドリアで作られたアセトアルデヒドを細胞内でエタノールに変換する酵素も存在し、生成されたエタノールは細胞外へと排出される仕組みになっているという。

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