>  > the band apart原昌和、自身の恐怖体験2つと怪談の魅力を語る

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白神じゅりこ

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Memories to Go』asian gothic label

 人気バンド 「the band apart」のベーシスト&ヴォーカルの原昌和(はらまさかず)氏。インタビュー前編ではミュージシャンとして自身の音楽観やニューアルバム「Memories to Go」の驚くべき裏話を語っていただいた。

 そして今回は、近年怪談師としても活躍している原氏に、自身が考える怪談の魅力や、体験した怖い話などを語ってもらう。


■怪談は冒険

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――原さんは、ミュージシャンが本業だと思いますが、最近は怪談師として怪談を語り始めていますよね。怪談を始められるきっかけとは何だったのでしょうか?

原氏 俺は、冒険が好きなんですよ。たとえば山道を散歩していると、どこからともなく涼しい風が吹いて来る。『何だろう?』と思たら、壁があってそこにモグラの穴ぐらいの大きさの穴が開いている。どうやら、そこから涼しい風が吹いてきている。不思議に思って穴をそっと覗くと、ものすごく広い空間にしずくが垂れている音がしている……としたら怖くないですか?

 そういった奇妙な感覚を、まったく動かずに実際にそこまで行ったかのように味わえるのが怖い話の魅力です。

 ただ、それにはね。怖い話を話す人の人生経験がものすごく求められます。すごく深い場所まで潜り込んだやつじゃないと、聞き手を恐怖の世界に引き込めない。なので、人間的に深みのある人の怪談を聞くとものすごい場所まで連れて行ってもらえますね。


――原さんは、怪談を語るのが好きなのが伝わりますし、引き込むのも上手いですよね。

 好きですね。けれど、話すのは疲れる。労力を使いますからね。本当は聞く方が好きです(笑)


――何年ぐらい前から、イベントで怪談を披露するようになったのでしょうか?

 誘ってもらったのが、3年ぐらい前かな。それまでは、友達に話していたんですよ。俺は落語が好きで、特に聞き手である客とのかけひきが面白いと思って聞いていて。ただ、俺が好きだった落語家は軒並み死んじゃったんですよ。現存する落語家で好きなのが柳家小三治。小三治は真打中の真打。小三治の落語は、とっぽいんですよ。『昔の江戸っ子ってこういう感じだったのか』と回帰させるようなしゃべり方をするんです。それと同じく、怪談も想像力を掻き立てるような語りがいいですね。

 俺は思うんですが、何年か後には、怪談が落語で語られるような高尚な話になっているかもしれない。『こんなことが昔あったんだよ……』というように。それで、どんなに金を払ってでも聞きたい怪談を追いかけるようなフォロワーが出てきたら、ムーブメントの兆しだと思うんです。


■怪談のビッグウェーブ

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――「怪談が来る!」と言うわけですね。

 『来る』というのは違うね。来るかどうかというのは、僕にはわからない。けれど、怪談好きのフォロワーは必ず1人とか2人ぐらいはいて、そいつらは命を懸けて怪談を聞きたいと思うような人間なんだろうな……と。そういう人が増えたら『来た』ってことなのかも。それは、宗教的でもあるけれど、信仰でもある。そういう風に、人間は古いものを信仰する習性があるんだよ。


――原さんはミュージシャンですが、音楽と何か共通するものを感じるからこそ怪談に興味を持たれているとか?

 怪談と音楽の共通性をわざわざ考えたことはない。ただ、あるとしたら官能です。


――官能とは、官能小説に書かれているエクスタシーのことでしょうか?

 そういう意味ではないですね。たとえば、ツイッターで夜中に背脂をいっぱい乗せたラーメンの画像を見た時、『食いたい』と思うことあるでしょ。そんな時、画像をアップした人と『美味しい』という感覚が繋がった感じがするでしょ。


――つまり、共鳴するというわけですね。

 そう。それを官能と俺は言うんです。しかし、どこで共鳴するのかというのも、センスなんですよ。語り手と同じぐらいの生き方をしていないと、話は入ってきません。つまり、話すのも聞くのも、その人の人生経験が大事なんですよ。


――この間、怪談を語る機会があったのですが、「この人、何でここで笑うの?」と思ったり、怖がるはずのときに怖がらなかったりしました。受け取り側のセンスにもよるんでしょうかね?

 そういうこともあるよね。でも、もしもその聞き手の人と1回一緒に遊んだら、反応が変わりますよ。『こういうふうに物事を感じる人なんだな』という素養ができるので、同じ話をしても受け取り方が変わるんですよ。だけど、俺らが人前で話す時は、1度も遊んでいないお客さんの中に入り込まなきゃならないんです。だから、1回も一緒に遊んだことがないのに、相手の心の中に入り込めるのが落語のすごいところなんです。泥水すすっているような1番のクズにも、泥水すすったこともないような上の人の心にも入り込める。人間としての振れ幅がある人は、入り込む力がすごい。あと、言葉の一文字変えるだけでも、入り方が変わるものなんですよ。

――では次に、ご自身が体験した恐怖体験を教えてください。

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