>  >  > 陰謀論研究の雄・海野弘インタビュー「陰謀論には2つの法則がある」

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画像は、『秘密結社の世界史』(朝日新聞出版)

「陰謀」や「秘密結社」がタイトルについた本を多数出版し、6月に『秘密結社の世界史』(朝日新聞出版)を上梓した海野弘氏に、「陰謀論や秘密結社の研究を続けている理由」「トランプ大統領誕生後の世界はどう見えるか」などを聞いた。


■情報機関に関係があるらしい人物が近づいてきた

――秘密結社や陰謀という名前のついた本をたくさん出されていますね。そういう本を出すことになったきっかけは?

海野弘氏(以下、海野) もともと都市論に興味があったんですが、都市の中でも特にアンダーワールドに惹かれまして。きちんとした都市論ではなく、見えない世界でうごめいている世界に惹かれたというのがきっかけだったと思います。あと美術が好きだったので、フランス・パリなどに行っていたのですが、1990年代にアメリカの西海岸がおもしろいなと思うようになったんです。アメリカ文化って東海岸が中心だったんですが、東海岸のNY文化は大西洋文化だと思うんです。いつもヨーロッパを見据えている一方の西海岸は太平洋文化だと思う。アジアに目を向けている。それで1970~1980年代は大衆文化も発達したし、企業も景気がよかったんですね。ところが1970年代から東から西へという文化的な転換が起こったんです。ニューエイジ運動もそうですね。ニューエイジ運動は1970年代に始まって、80年代にその存在を確立し(『アウト・オン・ア・リム』1986年、『バシャール』1987年などがヒット)、90年代に社会現象となります。『脳内革命』(95年)、『神々の指紋』(原著95年)が売れ、そして95年のオウム真理教事件を生むわけですね。

 そうして、ニューエイジの源泉の1つとなっているカウンターカルチャーを生んだ地であるカリフォルニア文化について考え出したときに、1998年頃でしたか、たまたま出版社の社長でアメリカのフィフティーズ文化が好きな人がいて、声をかけてくれたんです。「カリフォルニアはおもしろい」って言っている社長がいると聞いて会ったんですけど、「僕の構想だと5巻になる」と言ったんですよ。そうしたら社長が「出そう」と決断してくれた。それだけじゃなくて、その社長が「ハイウェイ文化論を出せないか」と言う。「そうなると、6巻になりますよ」って答えたんですけど、出してくれると言う。

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ヘヴンズ・ゲート開祖のマーシャル・アップルホワイト

 その頃アメリカでもカルトが流行ってまして、1997年にロサンゼルスで“UFOを信仰する”宗教団体「ヘヴンズ・ゲート」の集団自殺事件が起こります。その直後にロサンゼルスに行って危ないときに歩き回ったりしましたよ。それで書いた本が『世紀末シンドローム ニューエイジの光と闇』(新曜社)だったり、『癒しとカルトの大地 神秘のカリフォルニア(カリフォルニア・オデッセイ)』(グリーンアロー出版社)だったりします。ただ、そのときはまったく反響がなくて、ニューエイジについて書くのはそれきりになります。

 そして1990年代後半から、日本の出版社の動きが悪くなってきましたよね。新しい企画が通りにくくなったんです。今もその状況は続いていますが、最近はやっと次の世代が出てきて、おもしろい本を出したいと言ってくれる編集者も現れてきています。

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