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■体内の微生物への抗菌効果

 1996年に、口内の微生物に対するアルコールの殺菌作用を調べた論文が発表されている。それによると、40%未満のアルコール濃度では口内微生物の増殖への影響は少なかった。一般的なお酒のアルコール濃度は、ビール3〜9%、ワイン10〜15%、日本酒15%、焼酎20〜30%である。

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画像は「Thinkstock」より

 微生物への効果に最も重要なのはアルコール濃度だ。広く使われているアルコール(エタノール)消毒液は60〜80%ほどの濃度の溶液で、この濃度が最も抗菌活性が高いとされている。また、アルコールにさらされている時間も重要だ。40%以下の低濃度のエタノール溶液でも、長い時間さらし続ければ殺菌できる。先の研究でも、40%程度のアルコール濃度(ウォッカ程度)に少なくとも1分晒し続ければ、口内の微生物にも殺菌効果があると判明した。

 では、ウォッカのようなアルコール度数の高いお酒を1分口に含んでから飲めば、口腔内、喉、そして胃の中の微生物をまとめて殺菌できるのだろうか。理論的には可能かもしれない。だが、その前に一つ大きな問題がある。10%以上のアルコールを含むお酒は胃を痛めるのだ。

 1998年の実験によれば、アルコール濃度が高いほど胃粘膜には出血を伴う損傷が発生し、ウイスキー(アルコール濃度10%)による病変は24時間後にもまだ残っていたそうだ。また、慢性的なアルコール摂取は小腸での微生物の過増殖につながり、アルコール中毒患者でみられる下痢や悪心、嘔吐などの胃腸症状と関連しているという指摘もある。

 アルコールによる手や机などの消毒は感染症対策に非常に有効である。しかしながら、喉やお腹の感染症に効くお酒など存在しない。「飲んで消毒」なんていうのは、やはり酔っ払いの戯言に過ぎないのである。

(編集部)

参考:「Science Alert」「花王」「Wikipedia」ほか

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