>  > 飼い犬を殺して持ち去る「闇ルート」

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日刊サイゾー

【日刊サイゾーより】

 中国でたびたびに問題になっている犬肉食。世界中から、これまでさんざん「野蛮だ」と指摘され、中国内でも犬肉食に対するバッシングが広がっている。ペットが増えたことで動物愛護の意識が芽生えており、犬肉をめぐっては、もはや中国内を二分する論争になりつつある。

 そんな中、犬を殺すための毒針や毒矢が大量に流通し、摘発が相次いでいる。香港メディア「東方日報」(2017年12月25日付)などによると、南京市の「毒針製造工場」で7,000本の毒針が押収される事件が起こったという。毒針に加え、日本で犬猫の殺処分で使用されることもある筋弛緩薬・スキサメトニウムや、猛毒のシアン化合物、工業用アルコールも押収されたという。この工場は、オンラインで注文を受け、顧客に発送。これまで中国全土6万本の毒針を販売していたという。

 中国では昨年10月にも安徽省で毒針工場が摘発され、1万本以上の毒針が押収されるなど、類似の摘発事案が数多く報じられている。なぜこうした需要があるかというと、ボーガンや吹き矢を使って犬を殺し、死体を食肉業者に販売する輩が急増しているからだ。

 例えば杭州市では昨年、ペット犬が行方不明になる事件が多発していた。警察が犯人グループを逮捕してみると、アジトには死んだ犬が20匹も貯蔵されていたという。犯人グループは毒針とボーガンで他人のペットを殺害。食肉業者に1匹あたり800~1,200円程度で卸していたという(台湾メディア「聯合新聞」12月15日付)。


押収された毒入りの矢。毒が入った状態で販売されているという

愛犬が突然、毒矢によって殺されて持ち去られる
 近年、犬泥棒がペットをさらったり、殺して持ち去る事件が中国で相次いでいるが、背景には何があるのか。中国在住のジャーナリスト・吉井透氏はこう指摘する。

「中国ではここ3~4年、動物愛護が盛んに叫ばれるようになり、食用犬養殖業者や畜業者はもちろん、レストランも含め犬肉食関連の業者へのバッシングが高まっている。経済成長で豚肉や牛肉の供給が急増している昨今、あえて犬肉を食べる必要もないという理屈です。世間から冷たい目で見られ、正規の犬肉と畜業者や養殖業者が続々と廃業に追い込まれている。代わって出てきたのが犬を捕獲・殺害して売る連中です。先日、訪れた広州市近郊でもたまたま目撃したんですが、いきなり小型バンが路地にやってきて、中から2人の男がやってきてペット犬をさらっていった」

 この問題は「食の安全」という、もうひとつの問題も孕んでいる。ボーガンや吹き矢によって毒殺された犬の肉に、人体に有害な毒が残留している可能性が高いことは言うまでもない。食品の安全性に神経を尖らせる当局も、毒殺された犬肉に関する健康被害調査に乗り出したという。しかし、犬肉を好んで食す人がまだ存在する限り、こうした事件がすぐになくなることはないだろう。
(取材・文=五月花子)

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