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画像は、「YouTube」より

 2016年5月、千葉県の一軒家で、ゴミの溜まった一室から60代後半の女性が救出された。女性はレジ袋やペットボトル、食品容器などの山から顔だけを出した状態で埋もれており、自力では動けない状態だった。レスキュー隊によって救助されたが、両足の先端部はすでに壊死していた。女性と同居していた30代の娘は「母のことを誰に相談すればいいのかわからなかった」と語っているという。

 この事件のように、地域で孤立した人々の住居は、大量のゴミが散乱する「ゴミ屋敷」や「汚部屋」となりやすい。ゴミ屋敷化した住居は、居住者の生活を脅かすだけでなく、近隣住民にも多大な迷惑をかけてしまう。そんなゴミ屋敷問題のリアルをYouTubeから紹介しよう。

 1人の老婆が立っている。彼女の白いシャツには黒いもの――ゴキブリが這い回っているではないか。その背後にはゴミ袋がいくつも積み上げられており、そこにもゴキブリが蠢いている。ホワイトノイズのような音が聞こえるが、これは無数のゴキブリが移動することによって発生するカサカサ音なのかもしれない。男性が殺虫剤を散布するが、壁も床もゴキブリだらけできりがない。室内を見回すと、あらゆるところにゴミの山――。老婆自身が溜め込んだのだろうか? もはや、人間の生活空間は残されていないようだ。

 動画の詳細は不明だが、ゴミ屋敷内で衛生害虫が大量繁殖するトラブルについては理解できただろう。ゴキブリなどの害虫はゴミを食糧として増殖し、隣接する家屋にも侵入していく。腐敗したゴミの悪臭と相まって隣人からのクレームに発展するが、時すでに遅し――。ゴミ屋敷の片づけは、腐乱死体などによる部屋の汚染を除去する特殊清掃業者でないと、手に負えなくなっていることが多いのだ。

 そもそも、ゴミ屋敷が誕生するのはなぜか? 冒頭で紹介した千葉県の事件では、うつや認知症などが原因で自らの健康状態に配慮できなくなる「セルフネグレクト」が原因だったと考えられる。セルフネグレクト状態の人たちは、他者への援助を頑なに拒むため、ゴミ処理すらままならなくなってしまうのだ。

 一方、昨年11月に愛知県で発生した事件の場合、女性に暴力をはたらいたゴミ屋敷住人の男性(61)は「ホーディング・ディスオーダー」だった、と社会心理学者は分析する。ホーディング・ディスオーダーとは、大量の物品を収集することをやめられなくなる精神疾患。愛知県のゴミ屋敷住人は、15年前に空き缶集めを始めたのをきっかけに、ゴミを“資源”として溜め込むようになった。彼は、家族からも地域からも見捨てられ、孤独な生活を送っていたようだ。ホーディング・ディスオーダーの根底には孤独があるという。

 セルフネグレクトやホーディング・ディスオーダーの背景には、人と人とのつながりが希薄化した現代社会の闇が垣間見える。ゴミ屋敷から大量発生したゴキブリたちは、孤立した人間の存在を世に知らしめる役割を果たしているのかもしれない。
(文=標葉実則)

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