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 類人猿からホモ・サピエンスへと変貌を遂げていった人類の進化――。人類を取り巻く環境は激変したが、実は我々現代人の体にはその遠い過去の姿の痕跡が少なからず残されている。


■現代人の15%は手首内側の腱が浮き上がらない!?

 退化器官と呼ばれる、尾てい骨や虫垂(盲腸)、奥歯の親知らずといった、祖先では機能していたものが現在は縮小、萎縮してほとんど役に立たなくなっている人体パーツがある。

 その中には人によって備わっていたり、あるいは完全に消失している器官も存在している。気になるのは、自分の体の中にまだその名残りがあるか否かだが、一瞬で判別する方法があるので話の種に試してみよう。

 やり方はとても簡単である。手のひらを上にして小指と親指をくっつける、そして手首をくいっと上に少し持ち上げてみるだけだ。その際に手首の中心部に腱が浮き上がるかどうかを確認してほしい。

palmarislongus1.JPG
Simple Capacity」の記事より

 浮き上がった腱は「長掌筋(ちょうしょうきん、palmaris longus muscle)」と呼ばれる、類人猿・霊長類を含む哺乳類に存在している上肢の筋肉の一部であるが、実はこれ、現代人のおよそ15%に欠如しているという。白人では15~20%、日本人では3~5%の人が該当しているらしいので、逆に欠如している方がレアということになる。

 ただし、もしここに腱が確認できなくても悲観することはない。元来は木の枝をつかむときなどに手首の動きを支えるためのものであったが、橈側手根屈筋(とうそくしゅこんくっきん)はじめ周囲の筋肉で容易に代用されるため、もはや存在しなくても全く支障をきたさない。つまり、長掌筋を持たない人は“進化系”人類と考えることもできそうだ。

palmarislongus2.JPG
Simple Capacity」の記事より

 唯一、長掌筋が注目され活用される代表的な場面はメジャー・リーグにある。つまり靭帯の再建手術であるトミー・ジョン手術に使われることがあり、主に野球選手の断裂した肘関節の内側側副靭帯に反対側の腕から長掌筋の腱を移植するのだ。

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