“失踪を繰り返す父”と“行方不明だった伯母”を撮り続けた写真家・金川晋吾作品集『father』インタビュー

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写真集『father』／金川晋吾

――金川さんが中学生の頃から、お父さんは失踪を繰り返していたそうですね。

金川　そうです。その頃から繰り返していたのですが、僕が大学に入った2000年くらいに両親が離婚し、父は独りになったので、精神的に安定していると思っていたんですが、久しぶりにいなくなったんです。

――それまでに何度くらい姿を消したんですか?

金川　もう正確には覚えていないですね。中学生の時に父が会社に行っていないことを母が教えてくれたんですけど、その前からあったみたいです。それ以降は6年間で10回くらいかな。高三の時は年に2、3回してたような気がします。

――期間はどのくらい?　仕事に支障はなかったのですか?

金川　2、3日とか1週間とか、長くても1カ月くらいですね。会社は「戻ってこい」と言ってくれても父のほうが「もういい」って辞めちゃう。それでも自分で勉強して資格を取ったりすることはできる人で、人柄も悪くないから何かしら仕事を見つけてくる。全く仕事をしていない時期はなかったんです。

 
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