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日本怪事件

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深笛義也

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警察

――日本で実際に起きたショッキングな事件、オカルト事件、B級事件、未解決事件など、前代未聞の【怪事件】をノンフィクションライターが紹介する…!

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画像は「Thinkstock」より引用

 福岡県小郡市で昨年6月に母子3人が殺害された事件で、妻に対する殺人罪で起訴されていた福岡県警巡査部長であった中田充容疑者(39)は、2月21日、子ども2人に対する殺人容疑で再逮捕された。中田容疑者は3人の殺害について「一切身に覚えがない。朝起きたとき、3人は隣で寝ていた」と容疑を否認しているという。

 記者会見で「現職の警察官が複数人を殺害した例はない。誠に遺憾であり、県民の皆さまに心よりおわび申し上げる」と福岡県警の宇田川佳宏警務部長は謝罪した。

 この「複数人を殺害した例はない」という言葉に注目したい。実は警察官が1人を殺害した事件はけっこう多い。枚挙に暇がないと言っていいくらいだ。他の職業と比べて、警察官による犯罪は本にまとめられるほどあり、実際にいくつかの書籍が出版されている。

 その1つに昭和59年に発刊された、佐藤友之著『警察官の犯罪』(三一書房)がある。新聞でも報道されていない事件を丹念に調べ上げた労作だ。「暴力犯罪」「性的犯罪」「銃器犯罪」「交通犯罪」「黒い犯罪」「窃盗罪」「公務犯罪」と7章にまとめられている。ジャンル分けが必要なほど、警察官の犯罪は多いのだ。

 今回は同書で紹介されている事件から、妻や愛人に対する殺人、放火の3ケースを取り上げよう。

■CASE 1/妻を射殺

 昭和50年のこと。大阪府警四條畷署の警ら巡査、加藤敏哉(29・当時)は子どももいた妻と1年前に離婚していたが、すでに新たな妻・加藤悦子(仮名・28・当時)を得ていた。そしてさらに、豊中市でスナックを経営する山村英里子(仮名・33・当時)とも交際していた。当然のことながら、これは悦子とのいさかいを巻き起こした。

 あきれ果てた悦子は、12月10日、四條畷市内にある実家に帰った。その2日後の12日、制服姿で妻の実家に現れた加藤は、家の前に姿を現した悦子に、腰から取り出したピストルを向け、続けざまに3発打ち込んだ。悦子が倒れたのを見ると、加藤は自分の胸にピストルを向け発砲した。悦子は即死、加藤は救急車で門真市岸和田の安井病院に運ばれた。

 即日、加藤は懲戒免職処分を受けたが、逮捕状は執行されなかった。四條畷署は昼間2人、夜間4人の係官を病院に送り込み、治療中の加藤を監視した。

 年が明けると、加藤は歩行訓練ができるまでに回復し、英里子に電話するようになった。

 1月16日朝、加藤は英里子に電話で頼んだ。

「午後4時に迎えに来てくれ。寒いので毛布、ジャンパー、下着、それに、お茶も車に用意しておいてくれ」

 逮捕状は執行されていなかったが、加藤が妻を殺害したことははっきりしている。これが一般市民であったら、外部に電話したり、誰かと会ったりすることは許されるわけがない。

 その日、加藤は午後1時にレントゲン検査を受けた。検査後に2階の病室に戻ったが、午後4時過ぎ、「レントゲンの結果を知りたい」と申し出た加藤は、看護師に連れられて、1階の診察室に入った。四條畷署の係官は診察室の廊下まで付いてきた。あいにく担当の医師がいなかったため、看護師は呼びに出て行った。1人になった加藤はパジャマ姿のまま、診察室の裏から抜け出して、駐車場で待っていた英里子の車に乗った。異変に気づいた看護師は走り去る車を見た。

 大阪府警捜査一課によって、英里子の車は大阪府下全署に手配された。午後7時過ぎ、八尾市のモーテルで車は見つかり、加藤に殺人容疑での逮捕が執行された。

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