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――絶滅映像作品の収集に命を懸ける男・天野ミチヒロが、ツッコミどころ満載の封印映画をメッタ斬り!

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『20世紀に生きる全裸族 ザ・ハンターズ』
1957年・アメリカ
監督/ジョン・マーシャル

 1982年に日本で公開され大ブームになった『ミラクル・ワールド ブッシュマン』(80年・南アフリカ、ボツワナ)。映画はシリーズ化され、人気者になった主演のニカウさんは1983年に来日も果たした。そのニカウさんが『ブッシュマン』より遡ること20数年前のドキュメンタリー映画に出ていたことはあまり知られていない。現在「ブッシュマン」という言葉がアウトな件と合わせて、貴重なニカウ少年の衝撃映像を解説しよう。

 飛行機からポイ捨てされたコーラの瓶を拾った砂漠の民・ブッシュマン。彼らが巻き起こす珍妙な行動を描いたコメディー『ミラクル・ワールド ブッシュマン』。しかし現在、この作品は『コイサンマン』というタイトルでDVD化されている。

 舞台となったアフリカ南部に広がるカラハリ砂漠には、平均身長が約155センチという低身長で出っ張った尻が特徴的な狩猟民族が住んでいる。彼らは世界中の生態人類学者から研究対象とされ、近年の遺伝子解析で「人類の祖先では?」と注目されている。

 その「ブッシュマン」は、かつてオランダ人が侮蔑を込めて「藪の民」と呼んでいた呼称だ。そのためメディアでは使用を控えるようになり、一帯に住むコイコイ人とサン人を総称した「コイサンマン」で呼ばれるようになったのだ。ちなみにコイコイ人は、かつて現地語で「どもる者」という意味の「ホッテントット」と呼ばれていた。こうした民族名の呼称変更は、ピグミー(現・ムブティ、アカ)、エスキモー(現・イヌイット)、ジプシー(現・ロマ)など近年よく行われている。

 ニカウさんが子供の頃に出ていた作品は1957年に製作されたアメリカ製ドキュメンタリー映画『THE HUNTERS』で、日本では劇場未公開ながら1989年に『20世紀に生きる全裸族 ザ・ハンターズ』という邦題で徳間コミュニケーションズからビデオ発売されたが、その後はDVD化ならず鑑賞困難となっている。ビデオは字幕ではなく、名声優・大木民夫がナレーションを務めた。最近の人には『ハリー・ポッター』シリーズのホグワーツ魔法魔術学校ダンブルドア校長の吹替え、筆者と同世代には『空手バカ一代』のナレーション、『あしたのジョー2』白木葉子の祖父・白木幹之助(マニアック?)と梶原一騎両作品でお馴染みだ。


■『20世紀に生きる全裸族 ザ・ハンターズ』の内容とは?

 1年を通してほとんど雨は降らない北カラハリ地方。獲物を追って移動する部族の人々は、性器をフンドシみたいな布で隠している。矢尻に甲虫をすり潰して作った毒を塗り、獲物はブタ、ヤマアラシなどだが、ここでは最も絵になるキリン狩りをメインに据える。巨大なキリンは1発では仕留められず、矢が当たった1頭に毒が回って力尽くまで、数日かけて根気よく追跡する。すでに姿をくらませているキリンの足跡や糞などの痕跡を事細かに分析する様子、彼らがハイテク抜きにどうやって調査しているのかが克明に記録されていく。

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