• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • コメント0

『涼宮ハルヒの憂鬱』に駄作はない、長門壊れた説は完全に誤読! 『エンドレスエイトの驚愕』 著者インタビュー(哲学者・三浦俊彦東京大学教授)の画像5
撮影=編集部

――なまじ作画を少しずつ全部変えたという微差が、手間をかけたわりにおもしろくないと。

三浦 作画が8回とも完全に使い回しだったら、それはそれでおもしろかったんですよ。まったく平坦で完全反復の音楽、ミニマルミュージックやドローンミュージックのように。これだったらむしろ聴けます。逆に、本書でも例として挙げたエリック・サティ(※4)の『ヴェクサシオン』みたいな、中途半端に平坦で中途半端に旋律のある曲が一番耐えがたい

(※4)ちなみに『涼宮ハルヒの消失』にはエリック・サティの曲が劇伴に使用されているが、これは『ヴェクサシオン』のような反復音楽ではない。




――「可能的エンドレスエイト」のなかには、いっそ完全に同一の本編を15532回放送すればいいじゃないか、という過激な案も(笑)。

三浦 いや、これは皮肉でもなんでもないんです。実際に前衛音楽家のジョン・ケージが作曲した『Organ2/ASLSP(※「2」は上付き文字)』という曲は、639年かかる演奏が進行中ですから。そして、EEは原作だとループ回数が15498回なんですがアニメ版では15532回に増やされている。これによって総日数は8月17日から31日までの15日間×15532回=638年と110日となり、ほぼ639年に一致します。ちなみに15498+17+17=15532回にもうひとつ17回加えると、一日の誤差もなくぴったり639年! 僕はこれを発見して鳥肌が立ちました。明らかにジョン・ケージを意識しているじゃないですか

 ところが原作でもアニメでも、キョンはモノローグでループ日数をなぜか1日少ない14日間で計算していて、EEの8話目では本来638年と110日のところ、「594年」と発言しています。原作者およびアニメ制作サイドはジョン・ケージとの呼応を見破られないよう、わざと隠してるのではないかなと


――その意図は?

三浦 『ハルヒ』についているようなオタクは、作品とハイ・アート(高級芸術)との結びつきを嫌うだろう、と思われたのでは。むしろ制作サイドは、巧妙に隠したことを密かに誇りたいくらいではないでしょうか

コメントする

お名前
コメント
画像認証
※名前は空欄でもコメントできます。
※誹謗中傷、プライバシー侵害などの違法性の高いコメントは予告なしに削除・非表示にする場合がございます。