『涼宮ハルヒの憂鬱』に駄作はない、“長門壊れた説”は完全に誤読! 『エンドレスエイトの驚愕』 著者インタビュー(哲学者・三浦俊彦東京大学教授)
■本書は『ハルヒ』新作へのラブコール
撮影=編集部
――ところで、表紙の帯や本文に版権写真(公式の場面写真)が掲載されているのには驚きました。本書はEEを徹底的にディスり、製作委員会を糾弾すらしているのに(笑)。
三浦 逆に、この本に場面写真が使えたということは、『ハルヒ』の新作は当分ないってことなんだと思います。残念ながら。少なくとも第三期が現在進行形ではないのでしょうね。
――谷川流さんによる原作の最新刊『涼宮ハルヒの驚愕』も、2011年5月に刊行されたっきりです。
三浦 本書のタイトルを『エンドレスエイトの“驚愕”』としたのは、新作を催促する意味も込めているんですよ。『驚愕』はまだアニメ化されていないですし、それ以外にも原作ストックは結構ありますから。もちろん、メディアミックスありきでしかアニメ化企画が動かないのはわかっています。ですから本書が売れて「メディアミックスの考察部門」の尖兵として存在感を示し、「じゃあアニメ第三期を作りましょう!」となったらいいなと思うんですが、まあ無理かな(笑)。
(インタビュー・文:稲田豊史)
【プロフィール】
◆三浦俊彦(みうら・としひこ)
1959年生まれ。東京大学総合文化研究科博士課程単位取得退学。現在、東京大学文学部教授。専門は、美学・分析哲学。和洋女子大学名誉教授。著書に『天才児のための論理思考入門』(河出書房新社、2015年)、『改訂版 可能世界の哲学――「存在」と「自己」を考える』(二見文庫、2017年)など。
◆稲田豊史(いなだ・とよし)
編集者/ライター
1974年、愛知県生まれ。キネマ旬報社でDVD業界誌編集長、書籍編集者を経て2013年よりフリーランス。著書に『ドラがたり のび太系男子と藤子・F・不二雄の時代』(PLANETS)、『セーラームーン世代の社会論』(すばる舎リンケージ)。編著に『ヤンキーマンガガイドブック』(DUBOOKS)、編集担当書籍に『押井言論2012-2015』(押井守・著、サイゾー)など。「サイゾー」「SPA!」「プレジデント・オンライン」などで執筆。
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