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画像は、「YouTube」より

 ドナルド・トランプ米大統領は今月12日、シリアに対する軍事攻撃について間もなく最終決定を下すと発表した。シリアは現在、アサド政権と反政府勢力とが対立し、内戦状態に陥っている。そんな中、アサド政権が首都ダマスカス近郊の東グータ地区ドゥーマで化学兵器を使用したという疑惑が浮上。反政府組織が支配していているこの地域で今月7日、サリンと塩素ガスが入っていたとみられる樽爆弾が病院付近で爆発し、多数の犠牲者を出した。43人が死亡したと推計される。

 アサド政権による化学兵器使用の疑惑は以前からあった。アサド政権はこれを否定し、政権を支援するロシアも擁護に回った。しかし、現地で活動する医師たちから犠牲者たちの状況が報告されると同時に、事件の様子を映した動画や写真がネット上で拡散され、疑惑はいっそう深まっている。これを受けて、トランプ大統領は、アサド大統領を「ケダモノ」と非難するのみならず、政権を支援するロシアやイランの責任を追及する姿勢をツイッターで示した。

 YouTubeなどで公開されている事件の映像は、いずれも悲惨なものだ。何体もの遺体が転がっている屋内――子どもの遺体も数多く含まれており、おむつの取れていない幼児の姿もある。また、病院の映像には、毒ガスを洗い流すために頭から水をかぶっている子どもたちの様子も。さらに、体内から毒を出すため、大人たちが赤子の背中を叩いている光景……。

 塩素ガスは致死性は低いものの、空気より重いため、地表付近で拡散する性質がある。そのため、地下室に隠れている人や身長の低い子どもたちが多く犠牲となるのだ。また、サリンは猛毒の神経ガスであり、少量でも人間を死に至らしめる。汚染された食べ物や衣服を通しても体内に吸収されるので非常に危険である。

 こうした化学兵器の使用があったことを前提として、シリアへの攻撃を示唆したトランプ大統領は、マクロン仏大統領やメイ英首相と共同作戦の可能性について電話会談で協議した。トランプ大統領に対して反発を強めるロシアは、実際にシリアが攻撃されれば軍事行動を起こして報復するかもしれない。シリア問題は単なる内戦にとどまらず、各国の思惑も絡み合いながら泥沼化している。大人たちの事情で犠牲になっているのは、何の罪もない子どもたちであるという事実を忘れてはいけない。
(文=標葉実則)

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