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 さらに、研究者らは訓練を受けていない個体から運動ニューロンと感覚ニューロンを取り出してペトリ皿に並べ、そこに訓練を受けた個体から抽出したRNAを加えた。すると、感覚ニューロンは興奮し、まるで「訓練」を受けているかのような反応を示したという。

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実験の概要。画像は「Science Alert」より引用

 RNAは生物の核や細胞質に存在する物質で、タンパク質の合成や遺伝子の発現制御など様々な役割を担っている重要な物質だ。RNAは記憶の形成にも関わっていると以前より指摘されており、今回の研究は記憶を形成する時にニューロンで起きている現象やそのメカニズムの一端を明らかにするものといえる。

 またこれまで、脳の中で記憶を蓄えているのはシナプス(ニューロン間に形成される接合部)だと考えられてきた。だが、グランツマン氏は記憶はシナプスではなくニューロン自体に保存されていると考えており、「記憶がシナプスに保存されているなら、この実験が成功するはずはない」と自説に自信をのぞかせた。

 今回の研究をまとめた論文は今月14日付で専門誌「eNeuro」に掲載された。ジャンボアメフラシは人間とは全く別の生物のように思われるが、その神経細胞の働きや仕組みは人間とさほど変わらないという。著者らは今回の結果はアルツハイマー病やPTSDの治療法開発に役立つと考えている。

 神経細胞から抽出したRNAで(単純なものとはいえ)記憶が移植できるとしたら驚きだ。そのうち、人間でも脳からRNAを取り出して、記憶の移植や保存が可能になる日が来るかもしれない。

(編集部)

参考:「BBC News」「Science Alert」「eNeuro」ほか

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