『豊田正義著『消された一家—北九州・連続監禁殺人事件—』の表紙(新潮社刊)』

2002年3月6日は、福岡県の北九州市と小倉市を舞台に一家6人を含む合計7人を殺害し(うち1人は傷害致死)、未曾有の“マインド・コントロール型”殺人事件である「北九州監禁殺人事件」が発覚した日である。
同年に逮捕され2011年に死刑が確定しているその主犯・松永太は、自ら殺人に手を染めていないにもかかわらず、監禁した人間、共犯者として無期懲役となった緒方洋子らを、拷問や話術で巧妙に操り、お互いを殺し合わせた。長期間にわたり極限状態に追い込まれた家族同士が殺し合うという、どこにも救いようのない事件である。主犯が直接殺人を犯していないにもかかわらず死刑があっさり確定していることでも、この事件の並々ならぬ残虐性がわかるだろう。この事件が発覚したのは、被害者の虎谷久美雄の娘による脱走と告白によるものだった。10歳の頃からほとんど全ての加虐を経験してきた彼女は、その時既に17歳。ひとりの少女が成人するまでの長い期間をかけて、この事件はようやく終結を向かえたのだった。
この複雑で陰惨な事件は、発生当時にそのあまりの陰惨さから報道規制が敷かれたという説もあるが、写真の豊田正義著『消された一家—北九州・連続監禁殺人事件—』を始め、数多くの出版物となり世間の中止を浴び続けている。そして昨年10月には無期懲役中の共犯者、緒方純子の息子のインタビューが、テレビドキュメンタリー『ザ・ノンフィクション』で取り上げられ話題となった。
果たして、この《不幸の記憶》は、どこまでが明らかになるのだろうか。

(写真は豊田正義著『消された一家—北九州・連続監禁殺人事件—』の表紙)

3月6日の不幸

1948年
【死去】菊池寛【小説家・劇作家・ジャーナリスト・実業家】

大正から昭和初期の日本を代表する小説家であり、文藝春秋社の創業者として知られる人物。代表作に戯曲『父帰る』小説『恩讐の彼方に』『真珠夫人』など。第二次世界大戦での太平洋戦争中に文学者たちによる翼賛運動「文芸銃後運動」を発案し行なったために戦後は公職追放となり、1948年3月6日に狭心症で雑司が谷の自宅にて死亡。没年59歳。

1973年
【死去】パール・S・バック(Pearl Sydenstricker Buck)【小説家・翻訳家・人権活動家/アメリカ合衆国】

1938年の小説『The Good Earth(大地)』により、アメリカ人女性初のノーベル文学賞を受賞した小説家。私生活では宣教師である両親に連れられ、幼少期から中国へ渡り、大学時代はアメリカで過ごすも、母親の病気のため、卒業後再び中国へと戻る。1927年の「南京事件」を体験したことにより、執筆活動を本格的に開始することを決意し、1930年に初の小説『East Wind, West Wind(東の風、西の風)』を発表。翌年、大ベストセラーとなる『The Good Earth』を発表し、1932年にピューリッツァー賞を受賞。1934年にアメリカへ帰国後、晩年は、人種を問わない養子縁組の団体設立やアジアの貧困や差別で苦しむ子供たちを支援する活動なども行なった。1973年に肺ガンで死亡。没年80歳。

1975年
【暗殺事件】【怪事件】「ザプルーダー・フィルム初放映」

1975年3月6日、1963年11月22日に発生した「ケネディ大統領暗殺事件」を撮影した8ミリフィルム「ザプルーダー・フィルム」が、米ABCの『Good Night America』内で初めてテレビ放映され、あまりの衝撃に全世界的な関心事に。撮影者は暗殺現場となったテキサス州ダラス市の一般市民であったエイブラハム・ザプルーダー。1994年にフィルムはアメリカ議会図書館によりアメリカ国立フィルム登録簿に登録、保存されている。

1986年
【死去】ジョージア・オキーフ(Georgia Totto O'Keeffe)【画家/アメリカ合衆国】

20世紀に活躍したアメリカの女性画家。花、高層ビル、動物の骨といったものを主なテーマとして描いた。『Blue and Green Music』『雄羊の頭、白いタチアオイ、丘』といった代表作があり、「アメリカのモダニズムの母」と言われている。1986年に老衰で死去。没年98歳。遺体は火葬され、その遺灰は彼女の家とスタジオがあった、ニューメキシコ州北中央のゴーストランチ周辺に散布された。

1993年
【政治汚職事件】「金丸信元副総理脱税事件」

1993年3月6日に、金丸信元副総理(元自由民主党副総裁)と元秘書の生原正久が脱税の容疑で逮捕。事務所および自宅の家宅捜査により、70億円分の有価証券類が見つかるが、この有価証券類はヤミ献金で購入されており所得申告されていなかった。また、ヤミ献金を行なったとされるゼネコン各社から押収した資料から賄賂の実態も明らかにされた。追徴課税額は40億円以上と見られていたが、裁判中の1996年3月28日、本人の死去により公訴棄却となった。

1994年
【死去】メリナ・メルクーリ( Melina Mercouri)【女優・政治家/ギリシャ】

ギリシャの女優、政治家として活躍した人物。祖父、父親も政治家という政治家一族に生まれる。1944年、演劇学校卒業後、女優へ。1955年の映画『ステラ』でスクリーンデビュー。1960年に出演した映画『日曜はダメよ』でカンヌ国際映画祭女優賞を受賞。アカデミー主演女優賞へもノミネートされる。また、この映画の監督であったジュールズ・ダッシンと結婚。1967年にギリシャに軍事政権が誕生すると反政府運動に加わり、1977年に政治家へと転身。1981年に女性初の文化大臣となり1989年まで勤め上げた。1994年に肺ガンで死去。没年73歳。

2002年
【連続殺人事件】「北九州監禁殺人事件」

福岡県の北九州市と小倉市を舞台に一家6人を含む合計7人を殺害した(うち1人は傷害致死)、主犯・松永太による"マインド・コントロール型"連続殺人事件。松永は、自ら殺人に手を染めていないにもかかわらず、監禁した人間、共犯者として無期懲役となった緒方洋子らを、拷問や話術で巧妙に操り、お互いを殺し合わせたが、2002年3月6日に被害者の虎谷久美雄の娘が脱走し事件が発覚した。

2013年
【死去】いわしげ孝【漫画家】

高校生の1970年に『週刊少年ジャンプ』(集英社)の第5回新人漫画賞で『小さな命』が入選しデビュー。その後大学進学を経て1978年の『忘れ雪』が第2回小学館新人コミック賞に選出され、再デビュー。その後はるき悦巳とのアシスタントを務めながら、1978年から『ビッグコミック』に『ぼっけもん』を連載開始(1980年からは『ビッグコミックスピリッツ』で連載)。同作は1986年に第31回小学館漫画賞に選出され、いわしげの代表作となった。2008年からは『上京花日』を連載していたが、2013年3月6日に病死(病名未発表)。58歳没。2010年から入院のために休載するなどしながら続けていた『上京花日』は2012年2月25日に掲載されたもので断筆となった。

2014年
【死去】フランク・ジョーブ(Frank Jobe)【整形外科医/アメリカ合衆国】

1964年からMLBのロサンゼルス・ドジャースの医療コンサルタントを務めていた整形外科医。1974年にメジャーリーガーのトミー・ジョンへの側副靱帯再建手術を成功させ、肘にメスを入れることなど論外であった当時としては衝撃的なニュースとなり、その手法は"トミー・ジョン手術"として、瞬く間に野球を中心としたスポーツ界の名医となった。日本プロ野球界では主に村田兆治、荒木大輔、桑田真澄、等の肘を壊した投手がその手にかかったが、左膝の靭帯を3本断裂した吉村禎章もその手術にかかったことでも知られている。2014年3月6日に死亡。没年88歳。