『アガサ・クリスティの発見を伝える英「デイリー・スケッチ」紙』

1926年12月3日は、同年7月に発表された『アクロイド殺し』で世界的な推理小説家に登り詰めたばかりのアガサ・クリスティが、突然11日間の失踪をした最初の日である。
20世紀初頭のイギリスで起きた“世紀の失踪事件”は、全世界的に報じられ、アメリカの『ニューヨーク・タイムズ』紙でも大々的に扱われるほどの事件であった。本人が晩年に記した伝記でも全く降れられていないために、いまだ真相は明らかになっていない。
しかし、夫との不和が大きな原因であったのは明らかで、アガサはライセンスの切れた免許証で車に乗り、ヨークシャーの保養地にあるスワンハイドロパシックホテルに、夫の愛人であるテレサ・ニール名義で宿泊していた。
その間、1,000人以上の警察官と15,000人ものボランティアが捜索に関わり、飛行機でも捜査に加わるという大規模なものであり、同業の大物として捜査協力を依頼されたコナン・ドイルは、霊媒師に彼女の手袋を渡すという珍奇な捜査にまで発展した。
しかし10日間の間、誰にも見つからず、11日目になり、ようやくホテルに滞在しているところを発見された。
それからたった100年も経過していない現代に於いて、世界で最も有名な人物が10日間も失踪することなど不可能に近い。そのことは果たして、人間にとって幸福な社会でであるといえるのだろうか?

(写真は英『Daily Sketch』紙1926年12月15日版)

12月3日の不幸

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