『中沢啓治作「はだしのゲン」1巻の表紙』

2012年12月19日は、広島への原爆投下と被爆を経験しその悲劇を元に綴った自伝的劇画『はだしのゲン』の作者として知られる漫画家の中沢啓治が死亡した日である。
小学校一年時に1945年8月6日を迎えた中沢は、塀の陰に隠れて奇跡的に一命をとりとめたが、父と姉、弟、妹という家族を原爆投下により失った。
その後の人生で漫画家を志して上京するも、被爆者であることを隠して生きる日々を送っていたが、1966年に死亡した母の遺骨が火葬後に残らなかったことに強い憤りを感じ、初の原爆をテーマにした作品『黒い雨にうたれて』を描き上げる。
その掲載までには時間がかかったが、1968年『漫画パンチ』(芳文社)に掲載。その衝撃的な内容が一部で話題になり、『黒いシリーズ』の続編を掲載していたところ、人気少年漫画週刊誌『少年ジャンプ』への連載が決まる。
それが、原爆体験を被爆者ならではのリアルな、壮絶な視点で描き、1千万部を超える大ベストセラーにもなった中沢の代表作『はだしのゲン』である。
『少年ジャンプ』での連載は1年半で終了したが、その後も版元を変えながら出版は続けられ、アニメ化もするなど、多くの少年層の目にされる作品となった(物語は、中沢の健康面の理由で物語は未完となった)。
また、生前は戦後の1947年以降開催されている「広島平和記念式典」や昭和天皇、アメリカへの痛烈な批判を繰り返した発言でも知られ、その死まで断固とした反戦、反核兵器のメッセージを出し続けた。
2012年に肺ガンでその生涯を終えるが、中沢の妻は、火葬後に残った中沢の骨に涙したという。

(写真は中沢啓治作『はだしのゲン』1巻/汐文社刊)

12月19日の不幸

1年
準備中
1915年
【死去】アロイス・アルツハイマー(Aloysius "Alois" Alzheimer)【医師・医学者/ドイツ】1906年に南西ドイツ精神医学会に発表した女性患者の記憶力低下等の症例以降、「アルツハイマー病」「認知症」を確立。そのテーマを生涯研究し続けた精神科医。1912年にポーランド・ブレスラウ大学精神科の教授に就任したが、1915年の通勤列車の中で急逝。黄色ブドウ球菌感染症、リウマチ熱、腎不全等から引き起こされた心疾患だったといわれる。没年51歳。
1996年
【死去】マルチェロ・マストロヤンニ(Marcello Vincenzo Domenico Mastroianni)【俳優/イタリア】20世紀のイタリアを代表する二枚目映画スター。ルキノ・ヴィスコンティ、フェデリコ・フェリーニ等の巨匠たちの作品を始め、生涯で170本もの映画作品に出演した。代表作に『甘い生活』『イタリア式離婚狂想曲』『8 1/2』等。私生活でもカトリーヌ・ドヌーヴやアニタ・エクバーグ、ソフィア・ローレン等多くの女優との交際で知られ、中でもドヌーヴは娘で女優のキアラ・マストロヤンニと共に晩年を
1997年
【死去】井深大【実業家】電子技術者であり、盛田昭夫とともに世界を代表する電気メーカー「ソニー」を創業した人物。トランジスタラジオやトリニトロンテレビ等の革新的な商品で世界に冠するソニーブランドを確立した。心不全で89歳没。
2012年
【死去】中沢啓治【漫画家】小学校一年時の広島への原爆投下を経験し、被爆者ならではのリアルな、壮絶な視点で描き、1千万部を超える大ベストセラーにもなった自伝的マンガ『はだしのゲン』の作者として知られる漫画家。同作の『少年ジャンプ』での連載は1年半で終了したが、その後も版元を変えながら出版は続けられ、累計1千万部を超えるベストセラーになり、アニメ化された。また、生前は昭和天皇、アメリカへの痛烈な批判を繰り返した人物としても知られ、断固とした反戦、反核兵器のメッセージを出し続けた。肺ガンで73歳没。