地球が小惑星とニアミスしていた?月よりも近い位置を時速53,000kmで駆け抜けた「2014 DX100」!
もしも地球に衝突していたら、どのようなことが起きていたのだろう……。今月6日、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、「2014 DX110」と呼ばれる小惑星が、地球に最接近後、無事通り過ぎて行ったことを発表した。しかし、驚くべきは小惑星が地球を通過したその位置だった。
「2014 DX100」は、地球から35万kmの位置にまで接近したというのだ。この35万kmという距離、かなり離れているように聞こえがちだが、地球から月までの距離(約38万km)よりも近い。無限に広がる宇宙空間からしてみれば、目とまつ毛の先よりもさらに近い位置だったと言えるだろう。
今回の小惑星、地球への最接近時刻は、日本時間3月6日の午前6時7分だった。その直径はおよそ30m、移動速度は時速53,000km程度であるという。研究者たちの観測と計算により、地球に衝突する可能性はほとんどないものと考えられていたが、世界では多くの天文ファンが、望遠鏡を使ってその姿を観測しようとしていたようだ。実況中継を行う天文学関連サイトも散見された。
実は先月、「2000 EM26」と呼ばれる小惑星が地球に最接近した際も、天文学者やファンたちは注視していた。こちらの小惑星は直径270m、移動速度は時速43,000kmと、今回の「2014 DX100」と比較するとかなり大きなものだが、接近したのは地球から月までの距離の9倍程度の位置までだった。
天文サイト「Slooh」に携わるボブ・バーマン教授は、「地球の生命圏の姿を大きく変えてしまうような小惑星の衝突は、現実に起こり得る脅威であり、常に探索とトラッキングを行い、不測の事態にどう対処するか検討するのは賢いことだ」と指摘している。
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