不老不死の秘薬 ― 19世紀の「エリクサー」 がレシピと共に蘇る
「エリクサー」…それは、錬金術における「長寿の霊薬」「不老不死の秘薬」などと呼ばれる万能薬として知られている。
今年5月、ニューヨーク市のホテル建設現場で、なんとその19世紀のエリクサーのボトルが発見されたと米「DNAinfo New York」が伝えている。
■「不老不死の秘薬」のボトルとレシピを発見!
発掘調査に関わったのは、世界を股にかけて発掘プロジェクトを展開する、同国のクリサリス考古学コンサルタンツ。
発見現場はドイツ式ビアガーデンの跡地で、150年前に貯蔵されていた古い酒瓶の山の中から、「長寿の秘薬(Elixir of Long Life)」と書かれた小さな緑がかった色をしたガラス瓶を見つけたという。
中身は空っぽだったが、考古学者である同社代表のアリッサ・ルーリャ氏は「実際にどんな味がするのかを確かめたい」と興味を惹かれ、エリクサーを再現することにしたのだという。
彼女はドイツにいる同業者たちに声をかけ、19世紀の医薬書などの資料を調査するよう協力を要請。ついに、当時のエリクサーのレシピを探し当て翻訳することに成功した。
その結果、成分として含まれていたのはアロエを含む数種のハーブと、高濃度のアルコールということが判明したのだった。
また、エリクサーと共に発掘された「ホッターズ医師の苦い胃薬」という医薬品も同時に再現を試みた。このレシピはやや複雑で、ペルーのキナ皮(マラリアの特効薬キニーネの原料)、リンドウの根、オレンジの皮、シナモンやカルダモンの種、樹脂、そして多量のアルコールで作られていたことがわかった。ちなみに、これらには抗炎症作用や消化促進作用があるそうだ。
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