自らの腹部を切開した男 ― 極限状態で決死の手術=旧ソ連

 先日トカナは、己の足に自ら外科手術を施すロシア人の話題をお届けした。しかしロシアの歴史を紐解けば、さらにその上を行くリアル・ブラックジャックが過去に存在していたようなのだ。

 今月25日付の英紙「The Daily Mail」によると、“自らの腹部を切開する”という常識では考えられない手術を行った外科医の名は、レオニード・ロゴゾフ氏。1961年、当時27歳だった彼は、旧ソ連が南極大陸に観測基地を設置するために送り込んだ作業隊の専属医師としての任務に当たっていた。

自らの腹部を切開した男 ― 極限状態で決死の手術=旧ソ連の画像1画像は「YouTube」より

 極寒の地での厳しい作業が続く、そんなある日のことだった。ロゴゾフ氏は腹部に強烈な痛みを覚え、自らが虫垂炎(盲腸)であることを悟る。隊員たちを心配させないため、当初は不調を隠して笑顔で振舞っていたが、痛みは日を追うごとに増してくる。しかし、そこで唯一の医師であった彼にとって、頼れる人間は自分しかいない。やがて「悪魔のような」激痛に耐え切れなくなった彼は、自らに開腹手術を施すことを決意するのだった。

自らの腹部を切開した男 ― 極限状態で決死の手術=旧ソ連の画像2画像は「YouTube」より

 そして1961年4月30日、ついにその時がやって来た。手術に先立ち、弱りきった体にムチを打ちながら綿密に手順を練ったロゴゾフ氏。即席の手術室に隊員たちを集め、手術をサポートするよう依頼し、照明や鏡の固定、医療器具の手渡し等、それぞれに役を割り当てた。サポートに当たる隊員の気分が悪くなった時に備えてバックアップ体勢も整え、さらに自らが意識を失った時のために蘇生方法までレクチャーしたという。すべてを準備した上で、ロゴゾフ氏は自らの腹部に局所麻酔を注入。手術が開始された。

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