25年間迷子だったインド人少年「サルーの数奇な人生」! 絶望、人身売買、誘拐…グーグルアースを使って帰宅するまで

 これから夏至へ向かってどんどん日が長くなっていくが、子どもの頃に、まだ明るいのをいいことにちょっと遠出し過ぎて道に迷い、日が暮れ行く中、家になかなかたどり着けずに心細くなった思い出を持つ人も少なくないだろう。帰りを待ちわびる母の元に、なんと25年ぶりに帰宅したインド人青年の数奇なストーリーが話題だ。


■4歳の少年が偶然乗った貨物車両に揺られて1600km移動

25年間迷子だったインド人少年「サルーの数奇な人生」! 絶望、人身売買、誘拐…グーグルアースを使って帰宅するまでの画像1少年時代のサルー・ブライアリー 「Daily Mail」の記事より

 第89回アカデミー賞で6部門にノミネートされた昨年公開のオーストラリア映画『LION/ライオン~25年目のただいま~』が日本でもこの4月7日から公開されている。本編は実話をベースにしたストーリーで、英紙「Daily Mail」でもかつて報じられた数奇な人生を送った青年の物語がつづられている。

 今から30年前、インドの貧しい田舎町では、子どもたちも食うや食わずの生活を強いられていた。貧しい家庭の子どもとして生まれたサルー・ブライアリー(当時4歳)は、兄と共によく列車に乗り乗客の大人たちから物乞いをしていたという。インドの鉄道ではたいてい5歳以下の子どもは無料で乗車できるため、貧困地域の子どもたちの多くは駅や列車内で物乞いをしていた。

 その日もサルーはいつものように兄と一緒に最寄駅から列車に乗っていた。乗客が恵んでくれた食べ物でお腹が落ち着いたこともあったのか眠気を感じた兄弟は、ある駅で降りてホームのベンチで昼寝をしたという。それほど長い時間ではなかったようだが、目覚めたサルーは近くに兄の姿がないことで動揺する。

「目覚めてみると兄の姿が見当たりませんでした。目の前に列車が来ていてもうすぐ出発しそうでした。(寝ぼけていたこともあり)どういうわけか私はドアが閉まる直前に貨物車両に飛び乗ってしまったのです」(サルー・ブライアリー氏)

 しかし発車寸前に駆け込んだ貨物車両にも兄の姿はなかった。「この一瞬の判断が、その後の私の人生を大きく変えるものになったのです」とサルーは振り返る。そして列車は走り続け、地元のカンドワから1600km(1000マイル)も離れた大都市・カルタッタ(現コルカタ)に到着してしまう。

 長時間列車に揺られた末にようやく着いた終着駅で4歳のサルーは身寄りのないまま大都会の街に放り出されることになる。いったん駅から出されてしまったサルーには、どうやって地元の田舎町に戻ったらよいのか皆目見当がつかなかったという。

人気連載

danger
イタコ、霊媒、エロ祈祷…エログロナンセンスな超常現象ドキュメンタリー『恐怖・怪奇・悪霊 超常現象の世界』とは?

イタコ、霊媒、エロ祈祷…エログロナンセンスな超常現象ドキュメンタリー『恐怖・怪奇・悪霊 超常現象の世界』とは?

※こちらは2020年の記事の再掲です。 ――絶滅映像作品の収集に命を懸ける男・...

2024.02.27 08:00奇妙
青酸カリで人を殺すのは意外と難しい。推理小説のトリックは概ね間違いだった!?

青酸カリで人を殺すのは意外と難しい。推理小説のトリックは概ね間違いだった!?

【ヘルドクター・クラレの毒薬の手帳 第1回、青酸カリ/後編】  ※本記事は2...

2024.02.07 08:00科学
【毒薬の手帳】ググっても出てこない、青酸カリの本当の話

【毒薬の手帳】ググっても出てこない、青酸カリの本当の話

本記事は2015年に掲載された記事の再掲です。 【ヘルドクター・クラレの毒薬の...

2024.02.06 08:00科学
九州地方で正月に行われていた飲尿儀式の伝統があった!?

九州地方で正月に行われていた飲尿儀式の伝統があった!?

※本記事は2018年の記事の再掲です。 【日本奇習紀行シリーズ】 九州地方 ...

2023.12.30 08:00奇妙
龍のパワーを秘めた文字、「左回り」のエネルギーを得られる輪…今最強の波動グッズ3選

龍のパワーを秘めた文字、「左回り」のエネルギーを得られる輪…今最強の波動グッズ3選

不思議ジャーナリスト・広瀬学が渋谷クロスFMのラジオ番組のレギュラー出演者にな...

2024.03.19 16:30スピリチュアル

25年間迷子だったインド人少年「サルーの数奇な人生」! 絶望、人身売買、誘拐…グーグルアースを使って帰宅するまでのページです。などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで

トカナ TOCANA公式チャンネル