「男児・眼球くりぬき事件」からみる、中国臓器ビジネス・成人向け母乳サービスの現状

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■肉体労働者の老後、救いのない現状

 中国では小学校までは無料だが、その後の教育費に関してはどうにか捻出しなくてはならない。そこに来て高齢化に伴った介護費用の負担が重く家計を圧迫する。学がなければ、肉体労働に従事するのみ。格差問題が生んだ貧困から抜け出せず、負のスパイラル状態に陥ってしまうのが現状である。

 こうした諸処の事情から、伯母が何らかの精神異常をきたしたのではないかという見方もある。経済成長と加速する経済格差。今回の事件の背景には、そうした闇に追いやられた人々の悲痛な叫びが聞こえてくるような気がしてならない。

 事件直後から男児の元に各方面から寄付が寄せられ、2日までに10万元(約160万円)を超えた。また、香港の医師が無償で義眼を入れる手術を行う意向を示し、すでに治療を行っている。

 ただ、現在の医療技術では視力を取り戻す段階までには到達していない。昨今、外部カメラで得た映像を電気信号に変換し、網膜内の細胞を通して視神経に映像を伝える、「バイオニック・アイ」の研究も進んでおり、今後に期待したいところである。

■中国一番の公害都市、最貧と言われる郊外地区の苦悩

 事件の起きた中国何部に位置する山西省臨汾市汾西県は、同国で最貧地区に数えられ、経済成長の著しい湾岸地区からほど遠い山岳地区にある。

 農業だけが頼りの汾西県では、平均年収が1944元(約3万2,000円)ばかし。また、臨汾市は、2007年にブラックスミス研究所による世界の十大汚染地域に指定されるなど深刻な環境問題を引き起こしている。

目も開けられないほどの粉塵はさまざまな有害物質を含み、1日いるだけでタバコ三箱分の害に匹敵するといわれる。洗濯物を干そうものなら、1時間たらずで真っ黒になる。当局では、「スプリンクラー車の導入で粉塵も減り、緑豊かで、川の澄んだ奇麗な都市に生まれ変わった」と発表しているが、同国でさえもそんな発表をまともに信じる者はいない。

 政府は、ここ5年間で、地方を中心に大規模な保険制度を導入し、「農村人口の99%が保険制度で保護されている」と主張するが、汾西県の住民らは、「政府の政策も貧困から抜け出すには、ほとんど効果がない」と話す。子どものいる家族は学校がないために村を去り、人がいなくなった家屋や土地は荒れていくだけだという。1日1ドル以下でなんとか生活し、山肌に堀った洞穴式の住居に暮らす。「政府の政策は素晴らしいが、われわれのもとにお金は届かない。いつも言葉だけだ」住人はそう語る。

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