【変態に捧ぐ映画】スルメの焼け様がモチーフ しかし、観たら当分肉は食えない! 中1に初潮の疑似体験も!!

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 おみのは、逃亡中に助けてもらい、恋心を抱いた男(実は代官所の隠密)の切断された頭部を、寺の台所で発見しガク然とする。ここで場面は、色とりどりなライティングによるサイケデリックな背景にガラッと転換し、唐突にファンキーダンスで踊り狂う尼僧達と作造。おみのは、狂った尼寺の壊滅を決意し絶叫する。「チキショー! みんなキチガイだ~! 殺してやる~! 殺してやる~!」。「何これ?」と観客の誰もが意表を突かれる、バッドトリップ必至の迷シーンがここだ。

 クライマックスが、また凄まじい。おみのが寺に火を放ち、本堂で住職の桂秀尼とタイマンする。鎌を振り上げて攻撃する桂秀尼に劣勢のおみのだが、これを跳ね返し逆転勝利を果たす。しかしその時! 唐突に炎の中から即身仏ミイラが立ち上がる! 「何これ?」2発目(笑)。

 牧口監督いわく、スルメが焼けるのをヒントにした「生涯最高のアイディア」だそうだ。

 意味もわからずア然とするおみのは、いつの間にか背後にいた少女・お小夜に、植木バサミでグサッと刺されて絶命……。観る者に考える暇を与えないドンデン返しの連続。炎を見つめるお小夜は、股間から血を流し苦悶の表情を浮かべる……。残虐淫靡な内容の作品を、リリカルに締めくくる秀逸なラストだ。

 現場での牧口演出は過激だったようだ。当時中学1年生のお小夜役・鈴木美鈴には、私生活でも来ていない初潮を疑似体験させ、人肉を食べるシーンでは、肉嫌いの彼女に監督は「飲み込め」と強要。美鈴ちゃんは涙を浮かべながら肉を口にしたが、せっかくのこの頑張りシーンも、本編では未使用に終わった(泣)。

 また「青い蛇とか黄色い蛇とか使いたい」と蛇にラッカーを噴き付け、それらを生きたまま煮えたぎる作造の鍋に放り込む。猫の死体シーンでは、「作り物ではアカン」と生きた猫を使って獣医に麻酔薬を打たせるが、その猫は本当に死んでしまう。牧口監督はまさに「顔に似合わず怖い人」だったのだ。こんな現場に嫌気が差したのかどうかは不明だが、尼僧役の女優が撮影中に逃げ出し、スタッフ達が追っかけて捕まえるという騒動や、別の尼僧役が撮影終了翌日に麻薬所持で逮捕されるなどと、現場はまさに女獄門帖と化していたのだ(笑)。

『女獄門帖 引き裂かれた尼僧』(1977年公開/東映京都映画)
監督:牧口雄二 脚本:志村正浩 音楽:渡辺岳夫 キャスト:田島はるか、折口亜矢、志賀勝、汐路章、佐藤蛾次郎、佐藤美鈴、片桐竜次、野口貴史ほか

■天野ミチヒロ
1960年東京出身。UMA(未確認生物)研究 家。キングギドラやガラモンなどをこよなく愛す昭和怪獣マニア。趣味は、怪獣フィギュアと絶滅映像作品の収集。総合格闘技道場「ファイト ネス」所属。著書に『放送禁止映像大全』(文春文庫)、『未確認生物学!』(メディアファクトリー)、『本当にいる世界の未知生物 (UMA)案内』(笠倉出版)など。新刊に、『蘇る封印映像』(宝島社)がある
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