なぜ、吸血鬼ドラキュラは「ニンニク」が嫌いなのか?ルーマニアとヴラド3世の歴史から紐解く

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 私は、ルドルフ・グライナーです。日本と世界を研究するドイツ人です。私は、日本と世界の違いやドイツと日本の違いを研究しています。

少し前に「チョイワル」という言葉が日本で流行しましたが、このブームに喜んだイタリア人やフランス人の一部のサークルでは「日本人女性の口説き方口座」で「チョイワル」を教えていたようです。私はもう老人ですから、「チョイワル」はしません。

この「少し悪い」ことが好きなのは、別に日本だけではありません。自分への影響が少なく、ちょっと社会や世の中からずれていることが「かっこいい」と感じる人が少なくないです。「スリル」と「セーフティ」を同時に恋愛に求める気持ちは、どの国の女性も同じですね。


■ドラキュラ=悪魔の子?

そのような意味では、吸血鬼は、とても魅力的です。若い女性の生き血を吸って、誰もがほれぼれするような美形を維持しています。夜に女性と2人きりになると、その首筋に甘い口づけをするようにして血を吸います。私の日本の女性の友人には「あんな美しい男性ならば、血を吸われてもかまわない」なんていう女性もいるほどです。ドラキュラをチョイワルだと思っているのかもしれません。

しかし残念ながら、ヨーロッパでは「ドラマとしてのドラキュラ」を楽しむことはあっても、「悪魔に血を吸われてもよい」という女性は非常に少ないです。それは「悪魔に魂をささげる」ということにつながるからです。

そもそも「ドラキュラ」とはルーマニア語で「ドラゴンの子」という意味です。そして、ルーマニアではドラゴン=悪魔の使いです。だからドラゴンと戦う物語がたくさんあります。

 よって「ドラキュラ=悪魔の子」といいう意味でもあるのです。

 「ドラキュラ」がルーマニア語なのは、ルーマニアにそのモデルがいるからです。そのモデルは「ワラキア公ヴラド3世」、別名「ヴラド・ツェペシュ」という人物です。


■ワラキア公 ヴラド・ツェペシュという人物に迫る

ヴラド3世は、1431年トランシルヴァニア地方のシギショアラでヴラド2世の二男として生まれます。

 父ヴラド2世は神聖ローマ帝国から「ドラゴン騎士団」の騎士として活躍していた人物であり、戦場の最前線を任される「ワラキア公」としても活躍していましたが、1444年、オスマン帝国と戦ったヴァルナの戦いで、ハンガリー王ヴワディスワフ3世が自らが電撃作戦を指揮してトルコのスルタン本陣を奇襲。王が乗っていた馬がスルタンのすぐ目の前で穴に落ちて、ヴワディスワフ王は落馬、殺害されてしまいます。王が死んでしまうと軍隊はダメになりますから、そのまま撃沈。十字軍の多くが捕虜となり、惨殺され、また占領された土地の女性たちの多くは奴隷として売られてゆきました。

 捕虜となったヴラド2世と長男のミルチャは串刺しで惨殺され、ヴラド3世の母親や姉などは売られてゆきました。

ここから、ヴラド3世の捕虜生活が始まりますが、捕虜でありながらも、持ち前の優秀さを認められたヴラド3世は、オスマントルコの支持を受け、ワラキア地方の執政官になり、そしてワラキア公として返り咲きます。オスマントルコが派閥争いで不安定だったことも功を奏したのでしょう。ヴラド3世は、ずっとその中で復讐の機会を待っていました。


■串刺しの刑が始まる!?

1459年、ワラキア公として豪族を束ねたヴラド3世は、本国オスマン帝国に対する年貢を拒否します。そしてオスマン帝国からの使者を串刺しの刑にし処します。

怒ったオスマン帝国は、トルコのスルタンであるメフメト2世自らが大軍を率いてワラキアに攻めてきました。けれども、ヴラド3世はオスマン帝国での捕虜生活で、相手がどんな戦い方をするのか知っていました。そして、相手軍隊をワラキアの領内に呼び込み、ゲリラ戦と焦土作戦でオスマンの大軍を撃破するのです。

オスマンは一時撤退します。その時にヴラド3世は、オスマントルコに協力した領民と、敵の戦死者や捕虜をすべて串刺しにします。オスマントルコの兵は、すべてお腹を切り裂き、内臓を出した状態で串刺しにしました。敵に協力した領民は、生きたまま串刺しにし、裸にして火をつけました

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