電力問題の救世主は「8分間ゆでたジャガイモ」?“安くて強力”研究で明らかに

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 日本の電力需給の見通しは、今年の冬も決して明るいわけではないようだ。経済産業省も企業や家庭に対し、引き続き節電に取り組むよう要請している。

 しかし、日本も含めて世界中の人々にお馴染みのある食材が、実は驚くほど安価で効率の良い、かつ強力な発電装置として使えることをご存じだろうか。たとえ各家庭の電球だけであっても、この食材で自家発電した電力が使われたとしたら、電力需給の逼迫問題の解消にわずかながらでも貢献できるのではないかと思われる。ずばり、その食材とはジャガイモだ。

 2010年6月、エルサレムにあるヘブライ大学で、農学者のハイム・ラビノヴィッチ教授のチームが、ジャガイモで作った電池からどの程度の電気が発電されるのかを計測している。教授のチームは、8分間ゆでたジャガイモを4分の1にスライスし、それぞれに銅の陽極と亜鉛の陰極を差し込み、電線とLED電球をつないで、どの程度光り続けるかを観察したのだった。そして実験の結果が学術誌「Journal of Renewable and Sustainable Energy」上に発表されると、世界中に驚きをもって受け止められた。なんと、ジャガイモ電池はLED電球に対して40日間にわたって電力を供給し続けられることが判明したのだ。

電力問題の救世主は「8分間ゆでたジャガイモ」?安くて強力研究で明らかにの画像1画像は、「Smithsonianmag.com」より

 簡単にジャガイモ電池の仕組みを説明しよう。ジャガイモは、もともとそれ自体が電気を帯びているわけではない。ジャガイモが担うのは、単に銅と亜鉛という2つの金属間での電子の移動を手伝う役割のみだ。ジャガイモに差し込まれた亜鉛と、「リン酸」が反応を起こして、電子が亜鉛側から銅側へと移動することで電流が生じる。そのため、バナナやイチゴのように電解質に富む他の果物でも、基本的にこの化学反応を引き出すことができる。さしずめここで使われる食物は、自然由来の電解液(例:自動車のバッテリー液)といったところだ。

 ラビノヴィッチ教授は、他の作物ではなくジャガイモを電池にすることを選んだ理由について、「それが熱帯や亜熱帯地域を含む、世界の至るところで入手可能だからです。ジャガイモは世界で4番目に豊富な作物ですから」と語っている。またそれ以外の理由として、ジャガイモは他の食物と比べて「リン酸」に富むだけではなく、数ヵ月の貯蔵が利くうえ虫もつきにくいという、電池とするには理想的な性質を持つことも挙げている。さらに、ラビノヴィッチ教授たちの研究の重要なポイントは、ジャガイモをゆでると、高密度の細胞が分解され、電子がより自由に流れるようになることを明らかにした点と、4つか5つにスライスした時にそれがいっそう効果的に行われることを発見した点にあるらしい。

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