華原朋美がさまよった果てに会えたモノとは?
失ったのは恋人なのか、自分なのか… 華原朋美がさまよった果てに会えたモノとは?

「さまよったって 愛すること誇れる」
そう歌いながら華原朋美は振り返り、ピアノを弾く小室哲哉を見つめた。伴奏とコーラスに集中している小室。彼女の目線には気がつかない。華原は満足そうに微笑みながら向き直り、「I’m proud」を歌い続けた。
12月4日に生放送された『2013 FNS歌謡祭』(フジテレビ系)にて、歌手の華原朋美は元恋人で音楽プロデューサーの小室哲哉と15年ぶりに共演した。華原と小室が交際中だった頃、彼女のために小室が制作した往年のヒット曲「I’m proud」と「I BELIEVE」を小室のピアノ伴奏にのせて華原は熱唱した。
11月下旬、華原朋美と小室哲哉が共演することが報じられると、ネットの掲示板サイトでは「絶対やめた方がいい。小室はビジネスでできるかもしれないけど、華原にはまだ無理」「話題作りでまた消費し尽されるぞ」など、華原の精神状態を心配するコメントが多く寄せられた。一方、愛憎を乗り越えた末の華原・小室の共演シーンへの期待も大きく、『2013 FNS歌謡祭』は今年の民放音楽番組で最高となる平均視聴率18.8パーセント(関東地区・ビデオリサーチ調べ)を記録した。例にもれず、筆者も「何か起きるかな」という野次馬心で同番組を視聴していた。
■イケてる人のシンボル的存在だったのに…
1996年、最盛期の華原朋美は、日蔭者の中学生だった筆者にとって別世界の存在だった。”時代の寵児”として崇められた小室哲哉に見初められ、大スターへと育て上げられた華原。愛らしい容姿と優れた歌唱力、個性豊かなキャラクターを備えた彼女は、”すべてを手に入れたシンデレラ”のように見えた。当時、そんな華原の曲を学園祭でカバーしていたのは、大抵が人生楽しそうな”イケてる”先輩達であった。
しかしながら、華原は1998年12月に小室と破局。それ以降、自殺未遂騒動を起こしたり、薬物依存で入退院を繰り返したりと、精神的に不安定な時期が続いた。そして、たび重なる仕事のキャンセルや奇行を理由に2007年6月に所属事務所を解雇。2007年7月11日の「アサヒ芸能」の記事によると、短期入院中の病院で「フォー!」と奇声を上げながら全裸で廊下を疾走する姿や、病室で寂しそうに「I’m proud」を口ずさむ姿が目撃されていたという。
また、2009年に精神安定剤の大量服用で緊急搬送、2010年にはタクシー乗車中に意識もうろうとなり搬送されるなどの問題から、見かねた家族が2010年夏に華原を閉鎖病棟に強制入院させた。
2012年12月6日放送の情報番組『ノンストップ!』(フジテレビ系)で華原は当時の生活を振り返りながら以下のように語った。「いろんな幻覚が見えてしまって大変」「テレビは見られないし、誰とも会話できない。ドアの内側にノブがないから外にも出られない」「ノートとペンを渡され、なぜ薬物に依存してしまったのかなど宿題を出される。そんなのわからないと反抗すると腕を拘束されてしまう。もう戻りたくない」
米国のホイットニー・ヒューストンや英国のエイミー・ワインハウスのように、薬物依存が原因で帰らぬ人となってしまう歌手もいる中で、華原朋美は家族の愛情に支えられながら治療とリハビリに励み、奇跡のカムバックを遂げた。暗く鬱蒼とした心の迷いの森から無事に生還し、かつての恋人と共に再び晴れ舞台に立った華原。歌い終わった後、小室哲哉に歩み寄った華原はこう述べた。
「今まで迷惑と心配ばかりをかけて 本当すみませんでした。これからはちゃんと前を向いて、歩いていけそうです。今日はすごく楽しかったです。本当にありがとうございました」
番組プロデューサー、きくち伸氏の後日談によると、この発言は演出ではなく華原のアドリブだったという。そのためか、小室の反応は若干どぎまぎしており”too shy shy boy”といった印象であったが、「頑張ってください」と華原に声をかけ、固い握手を交わした。一瞬左腕で目元を抑えた華原であったが、涙は見せなかった。
この15年間、華原朋美は何のために、深い森の中をさまよい続けていたのだろうか。過去の恋人に会うためだったのか。それとも、本来あるべき自分の姿に会うためだったのか。どちらにせよ、儚くも力強い歌声を今後も末永く聞かせてほしい。
■森平尚
1982年生まれ。コラムニスト。ひきこもり気味の主婦でもある。
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