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 先進国において、ペットを飼うことはごく普通の光景だ。ペットは自閉症の子ども達の心理的行動の向上にもつながると言われるなど、その癒やし効果は高く、ストレス社会に生きる現代人の心の渇きを潤している。だが、ペットは人間に取ってプラスとなるものだけを運んできてくれるわけではないのだった——。

■ヒトと動物と微生物

 微生物学的視点でみると、それは明らかである。12月4日「Popular Science」に掲載された記事によると、そもそもヒトも動物もそれぞれ固有の微生物・細菌類を保持しており、それらは必ずしもヒトに無害なものばかりではないのだという。さらには動物からヒトへの感染症を招くこともあるそうだ。

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画像は、クリプトスポリジウムWikipediaより

 イヌやネコが持つものとしてよく知られているものに、トキソプラズマ(恒温動物に寄生し、風邪のような状態になるトキソプラズマ症を引き起こす)やクリプトスポリジウム(ヒトを含む脊椎動物の消化管等に寄生し、下痢などのクリプトスポリジウム症を引き起こす)、イヌ回虫(イヌ・イヌ科動物に寄生する回虫だが、幼虫がヒトなどに寄生することがあり、内臓幼虫移行症や眼幼虫移行症を引き起こす)などがある。

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画像は、クロストリジウム属。Wikipediaより

 さらにノミのような厄介な虫に感染する危険性もある。また、イヌやネコなどの身近なペットが抗生物質の効かないMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌。多剤耐性で病院など薬剤使用の多い場所で多く見られ、術後など免疫低下時に感染すると死に至ることもある)やクロストリジウム・ディフィシレ(ヒトや動物の腸内に生息し偽膜性大腸炎の原因になる)を保持していることもあるという。


■獣医師は何度も感染している

 ポピュラーサイエンスが20年以上の経験を持つ獣医師のカーカニス氏に取材をしたところによると、彼女はこれまでの長い診察経験のなかで、さまざまな感染症にかかったという。原因は、動物に噛まれたり引っ掻かれたり。また、最も厄介だったのはクリプトスポリジウム菌を持ったヘビだったとのこと。

 また、特にエキゾチックアニマルと呼ばれる爬虫類、カメやトカゲなどを新たに飼い始める場合はよく勉強する必要があるという。例えば食中毒の原因となるサルモネラ菌は多くのカメが持っていると言われており、動物が固有に持つこのような細菌類は彼らには無害でも、人間にとっては重篤な疾患となることがあるそうだ。

 そして彼女は新たに迎えるイヌやネコなども獣医師による外部寄生虫・内部寄生虫の有無の確認や治療をすることをすすめている。そして実際に家に迎えた後も衛生管理をキチンとしてあげること。「常に清潔にしておけば大丈夫!」と言いたいところなのですが、これも万全とも言えないそうだ。

「ヒトから動物へ感染した例もあります。飼い主の身体から排出された寄生虫に、イヌが感染したことがあります。原因はトイレのフタの閉め忘れでした」(獣医師・カーニス氏)

 このように、いつ・どこで・どちらから感染するかもわからないので、完全な感染対策というのは難しいようだ。飼い主もまた、自身の健康チェックや衛生管理を怠らず、ペットへ感染させないようにすることも大切である。飼い主のみなさんも「そんなことはわかってるよ!」と言わず、もう一度大切なペットと共に心理学的にも微生物学的にも良好な関係が築けるよう考え直すいい機会かもしれない。
(カトウコト)

・参照記事「popular science

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