生理用品の広告史を塗り替えた“初潮スターターキット”紹介動画＝米

2013.12.24 13:45

画像は、You Tubeより

　アメリカのHelloFlo社が手掛けた広告をYouTubeにアップしたところ、4カ月で660万再生というスマッシュヒットを記録した。「生理用品の広告史を塗り替えた！」「まさに革命的。美女も、白い布も、青い液体も出てこない！」と賞賛の嵐。

　HelloFlo社は、初潮を迎える少女向けの宅配型スターターキットの発売を開始、オンラインで一人一人の周期に合わせてキットが届くというオリジナルサービスが売りだ。この動画の主人公は、いち早く初潮を迎え、ジャンヌダルク気取りでほかの女の子たちに厳しい指導をはじめるのだが…、そんな彼女を待ち受けていた結末とは？

【初潮スターターキット（HelloFlo社）動画あらすじ】　※画像は、すべてYou Tubeより

楽しいサマーキャンプのはずなのに一人仲間外れにされる少女。そうこの動画の主人公。
寂しそうに木の下に座り込んでいたら、突然の腹痛。大人への階段、初潮が来たのです。

「来たわ！」

となぜかほくそ笑む彼女。これを機に事態は急変。
誰よりも早くタンポンを使った彼女はもうエキスパート気取り。

タンポンぶるんぶるん！（何これ～～変なの～～）

「The Red Badge of Courage !!」とニンマリ。
スティーヴン・クレインの出世作で有名なこの小説のタイトルを何故知っているのかはさておき、南北戦争の最中、戦争への恐怖、葛藤を克服しながら勇敢な兵士として成長していくように、このサマーキャンプを「Camp Gyno」（少女達のキャンプ）と名付け、他の女の子への指導に意気揚々。

このドヤ顔凄まじい気迫。「責任重大なんだから」と意思表明。

「さあ受け取りなさい！必要なものは私が持っているのよ。」
女の子たちに大量のタンポンを配りだす彼女。配っているというより、もうぶちまけてます。

「うりゃ！タンポンの嵐よ!!　私は女王、褒美じゃ～～」
一体どんだけのストックがあるんだよ！　と突っ込みたくなるほど配り続けます。
　

使命感に燃える彼女。「これからは私があげるからね」と言われ困惑する友達。
サマーキャンプはもう地獄の特訓キャンプさながら。すっかりカウンセラー気取り。

課外授業だってこなします。
「さあ、見ていなさい！　生理のデモンストレーションよ」、と人形を取り出す。

いや～～～な音をたてて赤い液体がほとばしる。ビューーーーー。
これにはさすがの友達もドン引き。

OMG!!

初潮に苦しむ友達に厳しく、時にはさとすように指導。
「ちゃんとタンポン使いなさい！」

「今日は生理のはずよ！私はあなたの周期をちゃんと把握しているんだから」と拡声器で叫ぶ。
ここまでしなくてもとは思うが、彼女の使命感は今やボルテージマックス。
しかし、そんな彼女の特訓キャンプも長くは続かなかった。

女の子友達はどんどんキャンプを止めていく。
なんでかしら、と怪訝に思う彼女の元に小箱が届く。そう、HelloFlo社の初潮スターターキットなのだ。
なるほど、これが原因なのね。

その完璧なまでの内容に「まるでヴァギナに来たサンタクロース！」とはしゃぐ彼女。

「タンポン、パンティーライナー、それにキャンディーーー!!」

「それにキャンディーーー!!」

こうして彼女の特訓キャンプに終止符が打たれたのでした。

　個々の周期に合わせて生理用品が届くという宅配サービス。生理は恥ずべきことではないという意見もあるが、やはり買いづらいものであることは日本でもアメリカでも同じようだ。設立者のナーマ・ブルーム氏はウォールストリートジャーナルのインタビューにこう答えている。「このアイデアは、生理周期のリマインダーアプリを現実のものにしたものなのです。人口のほぼ半分は女性で、そして月1回必ずくる生理。いたって単純なビジネスモデルだけど、男性にはなかなか難しい話かもしれない」と現実的。アメリカだけでも生理用品は8兆円市場であることを考えると、初潮という早い段階から顧客を掴むという意味では実に賢い戦略とも言える。
（文＝アナザー茂）