――交通事故は物語というよりも、突然現れるアクシデントですが、今回はストーリー性が強いですね。交通事故を題材にしていたときも、物語性を意識していたのでしょうか?
笹山 始まりを説明すると、大学3年生の時にインターネットで死体の画像を掲載している投稿サイトに出会いました。当時はそのサイトでテロリストが首切りを公開して社会問題になったりしていまし た。そこで、一気に死の情報が入ってきて、魅了されてしまったんですね。
――なぜそんなものにひかれたのでしょうか?
笹山 死というものに昔から関心があった。僕の子どものころの原初体験の一つにハリウッドがあります。『エイリアン』で血を 見た時にこわいと思いながらも美しいと思ったことです。グロテスクだけど、崇高で美しいと感じていました。