アイドルグループはソロになると魅力がダウンする!? 米「チアリーダー効果」実験とは?

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■人間の知覚と認識

 まず、この脳の錯覚の秘密を解くのに関連した人間の知覚と認識過程に、「エビングハウスの錯覚」と「ムーン・イリュージョン」の2つがある。「エビングハウスの錯覚」とは中型の円形は、小型の円形に囲まれるとより大きく見え、大型の円形に囲まれるとより小さく見えるというものである。「ムーン・イリュージョン」とは月は空にある時よりも、水平線にある時により大きく見える現象である。これら2つの錯覚は「チアリーダー効果」に似た脳の動きと考えられる。

 そして「チアリーダー効果」を説明するのに最も適したものに、脳の「標準化作用」がある。これは、例えばコンピューターの画面上で人々の顔写真を重ね合わせ、どんどん標準化した顔を作っていく。こうして顔を「標準化」する事により、1人1人の顔のアンバランスな部分がぼやけてくる。その結果、より多くの顔を重ねていけばいくほど、より魅力的な顔が出来上がるのだ。人は標準化された顔を最も美しく感じる脳の仕組みを持つと言う。


■研究に基づく推論と更なる実験

 これから推論すると、より多人数はより標準な顔を作り出すので、「魅力度点数」もより高くなるはずだと、この2人の研究者は考えた。そこで両氏は4人、9人、16人のグループにおいて、被験者が「魅力点数」を付ける実験を行った。しかし実験の結果、驚くべき事にグループの人数の多い少ないは、魅力度点数にはなんら変化をもたらさなかった。クラス全員のグループ写真でも、数人の友人との写真でもグループでさえあれば魅力度点数は同じように上昇するという結果が出た。
 
 残念なことに、この研究では写真における魅力点数についてしか実験がされていない。しかし、この「チアリーダー効果」は、人間の脳の中で自動的に起こる現象なので、実際に人に会った場合でも、フェイスブック上でも同様の結果を生むと考えられる。前述のように、人はグループでいることでより社交性や情緒的な感覚を持つので、被験者はグループの顔を好むのではないかという推論もあった。そこで両氏はグループ写真の中に、実際は独りで撮影したものを切り貼りしてグループに見せかけたものを混ぜて実験をした。その結果はやはり、一人の写真の顔よりもグループ写真の顔に全員がより高い「魅力点数」を付けたという。

 アメリカではこの効果は「チアリーダー効果」としてよく知られているが、日本で実感を持って感じるのは、アイドルグループを見る時かもしれない。この研究結果によれば、グループの歌手は個人の歌手より、魅力的に見えることになるからだ。そう言われてみれば、多くのアイドルたちは大人数のグループの方が1人で歌っている時より、よく見えるかもしれない。人間の脳は実に興味深い働きをする! 逆に、アイドルグループを脱退してソロ活動をするということは、魅力が少し失われるということになるということだ。これを踏まえてファンたちの脳を考えると興味深いかもしれない。
(文=美加リッター)

参考資料:「IO9」 「SCIENTIFIC AMERICAN

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