【東芝裁判】うつ病で解雇されてから14年 問われ続けた“病気になった側の落ち度”、判決は?

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【東芝裁判】うつ病で解雇されてから14年 問われ続けた病気になった側の落ち度、判決は?の画像1重光由美さん


 3月24日、最高裁で画期的な判決が下った。先の記事でも紹介したが、過重労働でうつになったことで解雇を通告された、社員の重光由美さんが、東芝を訴えた裁判だ。二審判決は解雇の無効を認めたものの、重光さんにも過失があるとして損害賠償を減額していた。最高裁は二審判決を破棄、東京高裁に差し戻した。

 最高裁の下した判決を見ると、東京高裁の判決のおかしさは改めて浮き彫りになる。東芝が主張した重光さんの過失とは、精神科への通院を会社に申告しなかったこと。それによって会社は、うつ病の発症回避の対応が取れなかったとしている。これを高裁は取り入れて、損害賠償を減額したのだ。

 だが最高裁第2小法廷は、「精神科への通院などは、プライバシーに関わることであり、人事考課にも影響することであるから、知られずに働き続けるのが普通である」と明確に指摘した。

 重光さんは、次のようにコメントしている。

「本日、最高裁において、私の過失を安易に認めた高裁判決を否定し、会社側の過失を全面的に認めた判決が出たことを、たいへんうれしく思います。『うつ病は心の風邪、気軽に精神科を受診しましょう』と言われているのに、1回程度の精神科の受診歴があることをもって、私の過失やうつ病のなりやすさとした高裁の裁判官には社会問題への認識不足を感じます」

 また、重光さんが仕事を離れてから、控訴審の時点で9年経つにも関わらずうつが完治していないことを捉えて、もともと、うつになりやすい体質だったと東芝は主張。高裁判決はそれを取り入れていた。

 最高裁第2小法廷は、重光さんのうつが治っていないのは、長引く裁判を抱えていたことも原因であるとして、むしろ東芝が自ら解決の道を開かなかった対応の不当を指摘した。

 今後、高裁で審理が行われるが、重光さんの主張が認められる筋道がつけられた。

 この日は夕方から、日比谷公園内にある図書館のレストランで、支援者らが重光さんを囲んでパーティが行われた。東芝から解雇を通告されてから、14年。この日の勝利があったのは、重光さんが挫けずに闘ってきたからだ、と皆が口々にこれまでの奮闘を讃えた。

■深笛義也(ふかぶえ・よしなり)
1959年東京生まれ。横浜市内で育つ。18歳から29歳まで革命運動に明け暮れ、30代でライターになる。書籍には『エロか? 革命か? それが問題だ!』『女性死刑囚』『労働貴族』(すべて鹿砦社)がある。ほか、著書はコチラ

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