【大陰謀論】ウクライナ情勢の真実(2) アメリカは「堕ちた英雄」!?

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 もう1つは、シリアの対応などを見ていて、「アメリカの力が弱くなった」ということをプーチン大統領は感じていた。ここでいう「アメリカの力」とは、軍事力ではなく、「情報力」と「工作力」である。そしてそれらを束目る情報部隊、いわゆるCIAと軍隊の「指揮能力」ということであろう。ロシアは旧ソ連のKGBは解散したが、しかし、情報機関まですべてなくなったわけではない。そのために、「アメリカの力」が弱くなったことを最もよくわかっているのである。

 そのうえ、最もロシアを驚愕させたのは「安倍批判」であった。ロシアの認識としては、「安倍首相の右傾化は、アメリカの指示で、中国を抑止している」と考えていただけに、安倍首相の靖国神社参拝後、アメリカが「失望した」とコメントしたことは、実に不可解であったのだ。これを解析すれば、アメリカは、日本とは別に、中国と組もうとしている…もっと言えば、中国と戦う気力がないということを意味しているのではないだろうか。

 シリアの対応及び中国と戦う意思がないということは、ロシアがウクライナほかの旧ソ連各国や東欧諸国に何らかの行動を仕掛けても問題がないということになる。「アメリカは口先で批判するだけで、軍を動かすことはない」という判断になった。

 まさに「2004年オレンジ革命」のリベンジの条件がそろったということになる。

 一方、アメリカは、ヤヌコビッチ大統領の施政を変えて再度革命を起こすという必要がある。特にヤヌコビッチ大統領の政権は、太平洋の平和を脅かす「中国に対する空母輸出」を行ったのである。

 アメリカは、「空母ワリヤーグ」現在の中国空母遼寧に限らず、その他の軍事的技術を中国に輸出するウクライナを放置することはできなかった。しかし、表だって支援はできない。そのために、ウクライナの国会議員の買収と武器の反政府組織に対する武器の輸出を行ったのである。

 さて、わかりにくい話になるのであるが、このロシアとアメリカの争いにもう一つの勢力が出てくる。それはアメリカに同調し、反ロシア側の動きをする「EU」である。EUは、ウクライナの反ロシア的思想の政治家を熟知しているため、EUはそれを支援することになる。

 しかし、アメリカの情報集団は、どうもそのような政府関係者や議員を買収するということはしないようだ。イランイラク戦争の時に、過激派的なイスラム教スンニ派のウサマ・ビン・ラディンを支援したのである。日本の場合は、江戸時代幕府とペリーで調印しながら、坂本竜馬の海援隊と提携し、薩長の尊王攘夷派と提携したのが、最も良い例だ。アメリカは反政府側の過激な人々を支援し、結局不安定な幕府を倒したのである。今回も同様にアメリカは過激派の保守派を支援した。まさに国粋主義者ともいえる人々を支援する。そのために、ウクライナの中では、反ロシア派が二つに分かれ、その二つの反ロシア派が互いにいがみ合うようになるのである。

 このために反政府デモなども統一性がなくなることになった。ここで、冒頭の文章をあえて繰り返す。

 <戦術を屈指する場合は、一つには同じ国内における「違い」を強調し、国内における対立の構造をあおることが重要になってくる>

 まさに、この文章の通り、ロシアは、EUの指示する穏健保守とアメリカの支援する過激派保守との対立をあおり、そして、違いを強調し、クリミア半島の親ロシア派を統一した。反ロシア派は2つに分かれてしまっていたので、軍なども統一的な行動を起こすことができず、結局、ロシアにやりたいようにやられてしまうのである。

 このように書くと、戦術的な陰謀の応酬である。まさに、その結果として今回のウクライナ事件が起きたといえる。その実体は、大きな一発勝負の陰謀、例えば「9・11」のような事件ではなく、細かい事件や日本で報道されない政治的な謀略の積み重ねで行われた陰謀の集合体であったのだ。

 そして、このウクライナの最終的な決着は、今年5月の大統領選挙まで続く。ウクライナの国家としてはヤヌコビッチ大統領が現在も大統領であり、同時に、大統領を罷免するためには、当然に議会による弾劾裁判が必要になる。一方、暫定政権も残念ながら法律上有効なものではない。そのために、ウクライナの憲法上有効な政治判断はされていないのである。そのために5月の大統領選挙で法的に有効な手だてができなければ、どちらの主張も通らないのだ。

 5月のウクライナの大統領選挙をめぐり、現在も、陰謀の応酬が繰り返されている。それどころかロシアのプーチン大統領はグルジアなどにもその範囲を広げているのである。まさにアメリカは「堕ちた英雄」になってしまったのである。

 しかし、これと同じことが東アジアで発生したら…。だからこそ、陰謀を初期に発見する必要があるのだ。
(文=聖橋乱丸)

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