タイ人の想像力はハンパない! 究極のB級スポット満載『HELL 地獄の歩き方』

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 そもそも、都築氏と地獄庭園の出会いは10年以上前。バンコクのホテルで現地の雑誌を眺めていると、ページの片隅におどろおどろしい立体地獄庭園の写真が載っていた。その写真に衝撃を受けた都築氏はすぐさまフロントで場所を突き止め、その足で現地に向かったという。

tuzuki0001.jpg独特の語り口調で地獄庭園の魅力を語る、
都築氏。会場は爆笑の渦だった。

「地獄庭園は『地球の歩き方』にはもちろん載っていないし、『ロンリ―プラネット』にも載っていない。『タイの田舎めぐり』みたいなタイ語のガイドブックでも一言も触れられていない。僕らにとってはB級の面白スポットだけれど、タイ人にとってはB級以下。観光地でもなんでもない、見下されるかわいそうなスポットなんです。本の中で紹介している場所はどこも情報がまったくなかった。それでタイ人の友達を総動員して、最初はバンコクに住んでる友達に聞くんだけど、英語が通じるような高い教育を受けているようなヤツらは、こういうものを知らない。『昔聞いたことはあるけど、行ったことはない』『なんでそんな場所に行くの? タイにはもっときれいな寺院はいっぱいあるよ』と言われる始末」

そこで、友人たちに各地の観光案内所に片っ端から電話をかけてもらい、地道に一カ所ずつ探しあてていったという。まるで宝探し状態。タイ人からみれば、さぞかし変わり者の日本人だったことだろう。イベントではタイ以外にも日本や台湾、そして中国本土にある”地獄スポット”もスライドショーで紹介された。

「聖書だろうが仏典だろうが、どこの宗教でも考えることは大体一緒。天国はバリエーションがあまりなくて、キレイな女の人がいるとか、おいしいごはんがタダでいっぱい食べられるとか、寿命が永遠みたいな感じ。退屈で平凡な描写しかできない。でも地獄にはバリエーションがある。みんな痛いのは嫌だから、なるべく痛いこととか嫌なことを考えていくと、人類は一つのところに行きつくのかもしれない。だからどこの地獄にも力が入っている。これって人間の不思議なところ」

Wat-Phai-Rong-Wua2.jpg(c) Kyoichi Tsuzuk

 「タイしかり台湾しかり、ごはんとエステがよければ地獄もいい」というのは都築氏の持論だが、それにしても観光名所でもなんでもなく、タイ人にさえ知られていない地獄庭園。一体誰に向けて作られたものなのだろうか。

「地元の人が子どもを連れていって、そこで戒律を教えるわけです。『生き物を大切にしなさい、親の言うことは聞きなさい。そうしないとこうなるよ』という教育の場所なんです。子どもを怖がらせるために作られているんだけど、実際、子どもは大喜びして走りまわっている場合がほとんど。これで泣くのは4歳まで」

 地獄庭園のコンセプトは寺の一番偉い僧侶が考えるらしいのだが、仏教のほかタイの精霊信仰とも絶妙にミックスされ、もはやなんだか分からない境地に達している場所も少なくない。また、小銭を入れると造形物が動き出す細工がされているものもあり、もっぱら寺の小銭稼ぎの場となっていることも。 

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