麻薬、性病、仲介料…W杯の裏で日系ブラジル人が見た「ブラジルサッカー留学」の暗部

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 ペレが長年在籍したサントスFCに直談判して断られ、ペレの自宅を訪ねるも不在でソデにされ、結局、著者自身がかつて在籍したサンパウロFCの下部組織への入団を橋渡しする。下宿や練習への送迎役も手配した。10年後、水島少年は日本人で初めてブラジルのクラブとプロ契約を結ぶ。ブラジル留学の第一人者となったこの水島少年こそ、あの『キャプテン翼』の大空翼のモデルとされる。著者のサポートがなければ、伝説のサッカー漫画も生まれなかったかもしれないのだ。

 だが、著者はそのことを誇るわけではない。むしろ、「こうしてうまく行くケースばかりじゃない」と語り、留学を仲介する日本人エージェントの暗躍に警鐘を鳴らす。著者によれば、80年代〜90年代当時、エージェントに支払う仲介料は年間200万円ほど。これに対し、クラブ入団に必要な金はごくわずか。にもかかわらず、用意されるのは大人数を詰め込む劣悪な部屋と、微々たる生活費のみだった。「悪い想像をすれば、ほとんどはエージェントの懐に入っている」という。

 さらに、「ブラジルのクラブといっても、練習は週に二、三日、午前か午後だけだ」とした上で、こんな実態も明かしている。

〈お金を出す親は、自分の子は一生懸命練習していると信じているかもしれないけど、残念ながら、そんな子ばかりじゃない。(略)万引きをしたり、性病にかかったりという話もよく聞いた。最悪の場合は麻薬に手を出す子だっている〉

 そして、著者は問いかける。

〈80年代以降、少なくとも1000人以上はサッカー留学生が送り込まれた中で、ブラジルでも、日本でも、ほかの国でもいいけど、プロのサッカー選手になれた人がどれだけいる?〉

 W杯出場など夢のまた夢だったサッカー後進国が、5大会連続で出場できるようになったこの20年は、確かに「奇跡の成長」だった。だが、光があれば必ず影が生まれる。「生きること」とサッカーが隣り合う「王国」から来た指導者の指摘は重い。

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